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2016.09.08

 

 

 

 

妃。

をイメージしたチョーカーネックレス。

銀の面がしっかりとってあるが、優しいトーンの磨き仕上げにまとめているので、全体像を見るよりは身につけて身体に乗せた方が、より女性らしいネックレスです。

 

P9010019

 

この作品は私が作るアクセサリーのなかでは、出来上がるまで日数を要する方である。

 

とはいえ、時計宝飾の世界に比べればなんてことはないのだが。

 

着想のヒントは、映画 「グラディエーター」であった。

 

若い頃から、映画は好きで世の中に表れたレンタルビデオ屋さんという存在に当時どれだけ手を合わせたことか。

異国の文化歴史、食習慣、ファッション、インテリア、音楽、映像、世の中の成り立ち、知らない業界の仕組み、道徳心に訴えかけられたり、当たり前と思っていたことに対する深刻なテーマをふっと投げかけられたり、ちょっとだけ英語の言い回しも記憶できたりしてた。

吸収できることが多すぎて、五感総動員のフル稼動。

 

娯楽が増えた今は、本当に映画館も閑散としている。

いわゆるプロパー価格でしか放映しない映画館で、ほぼ満席近い動員というこの頃では実に珍しい光景に遭遇した。

渋みを増したロバートレッドフォード主演の「ニュースの真実」。

 

しかし、自分より年長者の方々が8割を占めていた。

 

どして?

日曜だったというのに。

 

映画という娯楽はもう地味なのかしら?

 

 

 

 

2016.08.30

 

 

 

この数日は台風の影響で気温が低下し、落ち着いた気持ちで過ごせた。

少し、雑務を済ませられてなんとなくホッとした。

 

 

furiko

 

 

この夏は、ノンストップで頑張った。

と言っても、残暑が厳しいという説もあるのでまだ夏を引きずるのだろうが。

明後日より千葉展。

 

初日在廊し、戻りましたら9月末スタートの愛知展に向けてまた気持ちを切り替えてもう一踏ん張り。

 

今年の秋は少しペースダウンで秋という季節を楽しみたいと、あれこれイメージを膨らませひとりウキウキしている。

 

関東方面の皆様にお会いできるのを楽しみに伺いたいと思います。

 

本日ご紹介は、

マベパールの振り子ネックレス。

でした。

 

 

 

2016.08.22

大輪のブローチ

 

 

 

大輪の花。

 

 

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まるで銀色の紙で形取ったようなおおぶりな花のブローチ。

 

秋へと向かう装い、そしてその先にある冬の装いにサシ色となるようなブローチです。

ちょっと気の早いアクセサリーかも知れませんが、梅雨明けしてから殆ど雨の降らない福岡。さすがに夏の暑さにもちょっと飽きてきた心持ちがブローチの制作へと駆り立てたのかも。

 

先週の幻想的な赤い色した満月を見ながら、あと10日で9月へと突入するのだとはたと気がつくと同時に、夏の夜空を包む空気に深い呼吸がひとつゆっくりと溶けていった。

 

月日が経つのは、等しくとも人の心には常にせわしない。

 

 

 

 

2016.08.11

蝶の帯留め

 

 

 

私は着物は着ないのだが、帯留めはよく依頼される。

着物には何かとルールがあるようだが、私のようなアクセサリーを作っている人間、しかも着物の世界には無知である輩に敢えて依頼される方々は、寛大な方々なのだろうと至極感謝している次第である。

 

よって、いつも自由に作らせて貰っている。

 

obidome

 

 

ご本人さんとお会いしたところ、とても華奢で首元にピタッとくるアクセサリーがお似合いだったことが印象的でした。

蝶のモチーフの両サイドの穴を使って、お洋服の時には紐を両サイドから通して、チョーカーとしても楽しんで頂けるように兼用スタイルをポイントにデザインしました。

お召しになる着物の色目、柄、帯の柄などお聞きしていると、やはりシンプルで銀の特徴を生かした方がよいだろうと、ビッグな真珠をセンターに施してアクセントをつけました。

県外のお客様でしたが、福岡には観劇や食事会などで着物仲間とお会いされるとのこと。

 

ばったりお会いできたら嬉しいなと、ひとりにやにやしながら磨き上げました。

 

ぜひ、お召しになった着物のお写真をいつか見せてもらいたいものです!

 

 

 

2016.08.03

 

 

 

あっという間の8月突入だった。

この夏は暑さというよりも湿度にクラクラしながら制作に励んでいる。

 

 

lips rittai

 

 

 

夏は日が長いのでひとりサマータイム導入により、7時過ぎには制作に取り掛かり、エアコンのない作業場で大量の汗をかいて仕事がひと段落したら、シャワーを浴びてエアコンに切り替える。

 

この至福の時間。

大量の汗をかいただけ、最高に幸せを感じる。

 

しばらく読書の時間がかなり少なめだったが、夏は日が長いのでエアコンの効いた部屋で読書の時間がちょっぴり充実。

 

戦時中に書かれた

柳宗悦氏著   「手仕事の日本」

この本の中に手仕事についての素晴らしい表現と理解深まる文章がありましたので、引用させてもらいたいと思います。

 

手が機械と異なる点は、それがいつも直接心と繋がれていることであります。機械には心がありません。

これが手仕事に不思議な働きを起こさせる所以だと思います。

 

手はただ動くのではなく、いつも奥に心が控えていて、これがものを創らせたり、働きに悦びを与えたり、また道徳を守らせたりするのであります。

そうしてこれこそは品物に美しい性質を与える原因であると思われます。

 

 

なるほど。

私はこの仕事を始めてから、工業製品の食器をほとんど買わなくなった。というよりなんとなくそれを所有したいという気持ちがお金を払うという行為を経て手に入れようという気持ちより勝らなくなったといえばいいのだろうか。

どうしてなんだろう。

他人にうまく説明ができない。以前は、そんなこと考えもしなかったのに。

 

この本の中でこの表現に出会ったとき、スパーンと殻が割れたような気がした。

確かに自分自身が作る作業をしているとき、いつも心が寄り添う感覚で手が動いている。

無心になっているときもある。

手作りのものや手作業のものには出来上がったとき温度としてモノに温存されていて、手にするものがそれを汲み取るからなのかもしれない。

 

「用の美」を調査、収集した著者の素晴らしい表現に、ますます手仕事に関われるはしくれとして、励みと精進を誓った次第でした。

 

本日ご紹介は、

唇がテーマのリップスペンダント。でした。

話の内容と関係なくてあいすみません。

 

 

 

 

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