2016.09.27
急に降り出した雨、建物の陰に身を潜めて信号待ちをしながら、跳ね上がる雨しぶきをじっと見つめた。
横断歩道を小走りしてあの建物へ向かえば、地下道へとつながる。
そのまま電車へ乗って隣町まで行けばコンビニが確かあったはずだ。
急に降り出したわね。
服が濡れるわ。横断歩道、一緒に渡りましょう。
地元の人らしき女性が笑顔で声をかけてきながら隣に立ち、大きな傘の中に私を入れてくれた。
思いがけない親切に緊張がふわっととけた。
日本にもこんな親切をスマートにできる方がいらっしゃるんだ、と嬉しかった。
都会に行けば行くほど、他人に関わることを警戒する世の中だ。
なるべく見ないふり、気づかないふりで、その場をやり過ごすのがスマートであるという社会通念に変化してきている。
見知らぬ街で受ける親切の数々。
いつかどこかで見知らぬ誰かに返すときまで、心の中に貯蓄しておこう。
親切とは、受ける人にも与える人にも幸せを感じさせる行為であるように思う。
アンブレラペンダント。
バックに垂れる雨つぶのチェーンは前に持ってきても楽しめるほど長めにとってます。