Information

2023 July

2023.07.31

愛知個展のご案内はひとつ戻ってね!

 

 

 

若い頃は、日本茶はあまり飲まなかった。

正確には美味しいと思えなかった。

 

 

 

以前もブログの中で触れましたが、日本茶が本当に美味しいと感じたのはお世話になっているギャラリーのオーナーさんが、個展中の隙間な時間に淹れてくださったいっぱいのお茶でした。

甘くてとろっとしてそれでいて後口が爽やか。

ああ、もういっぱい飲みたいな、そう思わせるお茶でした。

石田三成が茶坊主をしていた頃、秀吉に出したお茶の逸話を思い出した。

 

とっても美味しいですね、どこのお茶ですか。

と銘柄を尋ねた私にオーナーさんは、

ごめんね。お隣のお茶屋さんのものでランクはそんなに高いお茶じゃないのよ。

私は、質問をとても恥ずかしく思った。

先方が答えにくい質問をしたことへの申し訳なさも多少はあったのだが、どこのブランドが美味しいとか希少なものは味が違うとか、そんな情報集めみたいな自分のものさしが恥ずかしかったのだ。

 

お茶は銘柄よりも淹れ方で味がこんなにも違うのだ。

それが日本茶なのだ。

やっと開目した瞬間だった。

 

サラリーマン時代は、とても忙しい会社だったということもあり、コーヒーマシンのコーヒーをそれぞれが好きなタイミングで飲むという習慣で、お茶汲みを女性がするという社風ではなかった。

今思う。

美味しいお茶の一杯が淹れられずして、どのくらいの仕事ができるものだろうか。

 

ものつくりは、手を動かしながら気持ちを込めることがとても大事であるように思います。

きっと一杯のお茶を淹れることも同じであろう。

 

昭和の職場の当たり前には、やはり人として大事な教えがあったのかも知れない。

そんな風に思うことも既に化石化した考え方であろうと認知しつつも、同時に否めない真実でもあるとも言い切れる。

 

お茶、とっても美味しいです。

 

そんなひとことが言える場にたくさん出会い、そしてそんなひとことが頂けるようになりたいものです。

 

 

2023.07.18

愛知個展のお知らせ!!

 

 

 

愛知展のお知らせです。

愛知県では4年ぶりでしょうか。

 

これまでお付き合いのあったギャラリーさんが建物老朽化に伴い移転の場所を探しておりましたが、そちらのギャラリーを引き継ぐ形でお勤めされていたスタッフさんが新しい地で新しいギャラリーを開業されることになり、再びお声をかけてくださいました。

 

 

 

末野美由紀シルバーアクセサリー個展

 

紙縒ギャラリー(こよりギャラリー)

愛知県刈谷市半城土町西裏30

070-7657-8768

8/3-6、10-13(8/3-13の期間の木、金、土、日の営業です)

11:00-16:00

私は、3日、4日在廊予定です!

 

名古屋駅から約20分の刈谷市は、現在は自動車工業都市でもありますが歴史的には徳川家康とゆかりのある三河エリア。

しばらくぶりの東海地区での個展です。

新しいギャラリーと愛知の皆様にお会いできるのをとても楽しみにしております。

 

異常に暑い日々ですが、ラストスパート頑張ってます!

 

 

 

 

2023.07.09

手芸に救われるいつかのために

 

 

 

降ったり止んだりの変則的な天気に気分が引きずられ気味。

週末も警報が出ている。

気分転換に…

そうだ。

しばらくぶりに縫い物をしよう。

 

 

3年前に緊急事態宣言が福岡は全国でも早くに出ると決まった時、以前から興味のあった刺繍を始めようと手芸屋に行った。

始めると糸の色の組み合わせだけでも楽しくて、目や肩の疲労を忘れて夢中になった。

のちに今の住まいに引っ越したり、生活の時間配分も変化したこともありなかなか気持ちに余裕が出ずに向き合えてなかった。

 

 

 

私はミシンが苦手である。

きちっと真っ直ぐに丈夫に縫えるミシン作業は仕上がりも美しいのですが、

ミシンを広げる場所がないという現実的な理由もあり、気が向いたらいつでもすぐに始められる手縫いが好み。

でも一番の理由は、手縫いが持つ独特のふわっとした風合いが大好きなのです。

洋服やインテリア雑貨でも最後の仕上げのステッチが手縫いだと、それだけでグラッときてしまいます。

お気付きの方が多いかもしれないですが、フォンテスキーのアクセサリー納品袋は手縫いです。

あれは、活動を始めてからずっとこだわっている個人的な好み故のこと。

 

 

そんなわけで、我が家では刺繍や刺子、裁縫と用途別に箱やかごに分けてしまってあるので、刺繍用のかごカバーを刺子で作りました。

 

 

若い頃に読んだ本の中で印象に残った手芸にまつわる話がある。

最愛のご主人を亡くし、自身ももうあまり視力も思わしくなくなり、動作もきびきびと動けなくなったドイツのおばあちゃんが、何か自分にできることを考えた挙句、ベッドカバーを縫うことを家族に宣言し、とりかかった。

風邪をひいたり、体調が思わしくなくなったりして、遅々として進まない針の進め方に、孫は椅子のカバーになってもいいじゃないかと何度も提案したが、何年もかかってコツコツと縫い続けてついに完成させた。

完成したベッドカバーのお披露目を兼ねたお祝いには、家族や親戚中が駆けつけてパーティーをした。

 

そんな話だった。

いい話だなあ、こんな風なおばあさんになりたいな。

読み終えてそう思った。

 

年齢を重ねても手を動かし何かを生み出せることがあるということは、苦しみや辛さを置き換えたり遠ざけたりできるものではないだろうか。

 

いつの時代も女性にとって手芸ができることは、いつか自分自身の助けになる時がくる。

そんなふうに思うのです。

そして、その時、そんな風な暮らし方をしていたいと思うのです。

 

 

 

 

 

 

Page top

Instagram