福山展の初日終日在廊した翌日は、広島在住の友人の案内で以前より行きたかった鞆の浦へと紐付けショートトリップ。
まず向かったのは福禅寺対潮楼。
ここからの眺めはなんとも心穏やかになる景色。
何度も訪れている友人も大好きだという。
頷けます。心が整う場所です。
手前の仙酔島へと向かう舟は、いろは丸に似せて作ったというおよそ8000万円かかったという客船。
ゆるゆると歩いて鞆港へ。
なんだか小腹空いてきたところにちょうど和菓子屋さんを発見。
大きなみたらし団子をテイクアウトして、雁木に腰かけてほやほやの団子をほおばる。
朝靄に包まれた海に浮かぶたくさんの小島を背景に船が静かに入港してくるのを眺めていると、まさに一本マストに大きな帆を膨らませて北前舟が浮かび上がるような光景にタイムトリップ。
ふんわり香る潮風と朝陽のゆらめく海面。
溶けるような心地よさ。
もう少しぼんやりしたかったのだが、次の目的地へ。
てくてくと赴きある路地をあっちに曲がりこっちに曲がり、建物や現役の井戸ポンプ、老舗薬酒屋の風情ある店構えや看板など路地歩きも飽きない。
そして、なんとも可愛らしい橋が。
ささやき橋。
ゆるやかにカーブを描いていて、一跨ぎほどの橋の下にはほんとに水が流れている。
何より名前をつけちゃうという感性とネーミングセンスにキュンキュンしちゃいます。
「もし。お気づきですか、ここは、小さきながらも橋でございます」
と、通り過ぎる人にささやいてるかのようではないですか!
ひとしきり撮影した後、向かったのは坂本龍馬が亡くなる数ヶ月ほど前に隠れ家にしたという桝谷清右衛門宅。
そして、瀬戸内ならでのサヨリメニューでランチにしまして、次は崖の上に建つ阿伏兎観音へ。
写真では分かりにくいですが、ぐるり展望できる回廊部分がなぜか海へ向かって下がって傾斜しているので、高所恐怖症でなくともソロソロと及び腰歩きとなります。
そして、おすすめビューポイントを目指して展望所に登りましたら、突然現れた瀬戸内の島々の景色。
福山には早朝によく雲海を見ることができる三次というエリアがあるそうですが、昼間になんとも珍しい現象に出会いました。
水墨画のようでうっとり。
最後に向かったのは、築城400年を機に新しくなりました福山城。
リニューアルには30億円ほどかかったらしいのですが、そのうち全国の城のファンより11億円の寄付が集まり完成したとか。
徳川家の息がかかっていたとのことでかなり立派です。
何より、見どころは北面の壁が黒いこと。
なぜ?実は敵の射撃などの攻撃を防ぐために鉄板が張られていたという。
地元企業JFEスチール株式会社からの素材提供により、鉄板2000枚、鋲が3万個に及び、空襲で破壊された黒壁がこのたび再現されたそうです。
遠くから見るとまさか鉄板とは思えませんね。
城内は、通常の博物館の中にいるかのような感覚で、移動しやすくなっていました。
火縄銃の射撃体験が無料でできるということで、鉄砲伝来の地に生まれた私としましては、このチャンスは逃しません!
照準を合わせる穴が手前の前目当と鉄砲の先の方に先目当と2箇所あります。視力がよくないと狙うのはかなり難しかったと歴史小説で読んだ記憶がありました。
確かにかなり小さな目当なうえに本物は2倍の重さ約4キロというので、かまえているだけでもぶるぶる。混乱の中、長い銃を静止させて照準を合わせるのは至難の技だったことでしょう。
絵的には、まるでゴルゴ13並みのスナイパーだ!と友人に笑われちゃいました。あはは。
紐付けショートトリップ。終日、堪能。
瀬戸内はやっぱり何度行ってもよいなあ。
定期的に行きたい所です。
お気に入りの尾道ラーメンをゲットして博多に戻って参りました。