2024.05.06
キッチンスペースで奏でる音
ずっと探していてもう7年くらい経ってしまい、とうに諦めていたものが、お世話になっているギャラリーさんのご縁で手に入った。
鈴竹で作られた米とぎザルである。
ご飯を土鍋で炊き始めて20年くらい経つだろうか。
火加減を覚えてからは、あまりにも美味しくてしかも短い時間でおかずが出来上がる頃に同時に炊き上がる。
随分と色んな人に勧めたものだった。
新米の時期などは、炊き上がったきらきらの真っ白なご飯を見てうっとり。そして食すと、日本人でよかったとしんみり。
そうなると、ステンレスの米とぎザルがなんだか不釣り合いな気がして、日用品としての竹製品が豊富な東北などでは、鈴竹の米とぎザルを使用されていると知り、かご専門店を見かけては探していた。
我が家は一合炊きの土鍋で、都度炊いているのでお櫃も小さめ。
見合ったサイズを求めていたのだが常に品切れ。
なるほど小さい米とぎザルとなるとやはり技術が必要、更にはニーズは圧倒的に二、三合用が主流。品薄な筈だ。
手元に届いた米とぎザルは山梨産できっちり作ってあり、網目も技術を感じた。
早速、米を研いでみた。
わ。なんとも米のこすれあう音がシャラシャラと小気味よくちょっとした楽器のような爽快な音。
これまで使っていた米とぎステンレスザルよりいいあんばいの深さで、米をとぐという作業がとてもやりやすい。
嬉しくて何度も洗ってしまった。
ひとつの作業が、使うものでこんなに違うのか。
古くからある道具は、きちんと用と美の調和がある。
諦めていたのもあったせいか、久しぶりに素敵なキッチン道具と出会いうきうきした。
ゴールデンウィークも本日まで。
個人的には関係なく日常を過ごしたのだが、本日は小さな寿司桶を使ってちらし寿司でも作ろうかな。
ふふ。