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Ring

2018.05.29

 

 

湖面に拡がる何かの波紋。

 

 

 

 

静かに拡がる波紋。

 

このリングは、見る角度によって全く違う表情を見せます。

春、桜の終わった頃に早朝の神社にて撮影をしたのだが、カメラマンもここからだと先ほどのアングルからとではまるで違うリングだ。とうなっていた。

 

リングは小さな立体彫刻だ。

ペンダントは、どちらかというとレリーフに近い。

一見、ブレスレットもリングを大きくした立体彫刻だと捉えられそうだが、その感覚で作ってしまい身につけるとなると、何かと障害が出てくる。

 

ピアスも、仕様によっては立体彫刻となる。

 

そんな意味でも、撮影はなかなか難しいようだ。

我輩の作ったものは、何しろ面が多すぎて、周囲のあらゆるものが写り込むのも難。

しかし、この頃ではその写り込みもナチュラルでよいのではないかと思うようになった。

 

理由のひとつとしては、デジタル化により撮影の時間は短く、デジタル処理の時間を長くすることで、理想の映像にいくらでも近づけられるようになったからかも知れない。

修正をかければかけるだけ、出来上がったものは、撮影者がいて被写体がある、そこに流れ合う人肌のような温度がどことなく薄れてゆくように感じる。

 

どんなものでもそうだ。

過ぎると、「作り物」ではないかという疑念がよぎる。

つまり「偽物」というニュアンスを含んだ言葉が心に浮かぶのは、人が感じる素直な感想だ。

撮影時に偶然が生み出すショットというものが、カメラの醍醐味であるように思う。

 

とはいえ、多少の修正が可能なことが都合のよいことも事実であったりするから、そのさじ加減を含めたものが、現代に求められる感性とテクニックなのかも知れない。

 

時代と共に、感性の示す言葉の領域も広がってきているのを感じる。

曖昧な領域。

 

そんなファジー感の拡がり、波紋の果ての辺りで生きている私である。

 

 

湖面リング。

 

 

 

 

 

2018.05.21

 

 

 

溶けかけた氷の塊。

 

 

 

 

 

少し前にご紹介しましたクラウンブレスとの相性を意識したリングです。

 

 

 

他人から見た自分らしい作風はどう捉えられているのだろうか、それを伺い知る機会は実際にはあまりない。

最も自分だと思える作風は、銀だけの地金のものであり、真珠のつかないスタイル。

アイテムは圧倒的にリングだ。

 

と、思っている。

 

この仕事を始めて25年近く経つが、これまでいくつ作ったかカウントこそはしていないが、自分に似合わないものも沢山ある。

否、寧ろ、大半がそうかもしれない。

自分以上に似合う方々の元へと巣立つ瞬間を目の当たりする時は、素直に嬉しいものだ。

出来上がったものたちは全て自分の一部であり、居場所を見つけたものたちは、所有する誰かの一部へと進化してゆく。

 

その一部の中に私が少しだけ生きている。

それを作る過程で向き合った時間と心を閉じ込めて、控えめに生き続ける。

 

自分の一部から生まれたものたちは、誰かの一部と混ざり、やがて誰かの一部と切り替わる、それでも尚、静かに生き続け消えないように。

これを閉じ込める。

も少し分かりやすく説明するならば、

溶けない氷の塊を含ませるように完成させること。

 

そんな風に向き合いながら、作っている。

その時、全体の中に在る自分を感じている、いわば無の刻、時空を旅している。

 

 

 

溶けかけた氷の塊に、溶けない氷の塊を閉じ込めて。

 

アイスロックリング。

 

 

 

 

 

2018.04.22

 

 

今年の初めに、自分と交わした幾つかの目標がある。

言葉にすると大がかりなものと誤解されそうなのだが、内容はというとちっぽけなものばかり。

 

その中のひとつは、なるべく偏らないようなジャンルを広げた読書。

月間目標冊数をザクッと決めている。

 

 

 

 

かつては300円程で買えていた筈の文庫本も、この頃ではちょっと面白そうだな、なんて軽い決断でそのままレジに向かうと、合計金額を耳にしてぎょっとする時がしばしば。

そこで、読書家や読書が習慣化している友達や、そのまたお友達などにお互い読んだ本の回し読みをしないかと声をかけてみた。

偏った読書から脱却、図書費のセーブのつもりだったが、後の感想や情報交換など話題が広がり、思わぬ副産物を生み、ひとりまたひとりとメンバーが増えてきた。

 

私などは、フリーランスなので、自分の責任において時間をやりくりできるので、読書の時間を確保するのも自分次第。

職場に向かって1日10時間ほど拘束されるお勤めの方は、なかなかだろうと思う。

しかし、通勤電車の中、眠る前、休日の午前中、待ち合わせの間、シーンに合わせて何種類かの本を読みわけているらしい。

 

読書は暇ができたらするというスタンスでは、おそらくその先もなかなか読むことないのではないだろうか。

まず、短い時間でも習慣化することなのだと思う。

 

というわけで、習慣化を楽しんでいるところです。

 

本を開いているイメージ。

本日は、ブックリングのご紹介でした。

 

 

 

 

2018.04.05

 

 

サプライズな贈り物。

 

受け取ったものが、もしも、以前からちょっと気になっていたが、ずっと時機を逃し続けていて未だ手にしていなかったものだったならば。

 

 

 

 

 

それを手にできたという物質的な喜びよりも、それが欲しいと知っていてくれたという贈り主の心遣いや気持ち、それらに準じた行動、計らいそのものがハートにじんと届く。

 

モノの価値より、人の心の方がいかに価値あるかを認識させられる瞬間だ。

モノを媒介して心を届ける。

それが、本来の贈り物の姿であろうと思う。

 

 

年齢を重ねてきてそんな経験が少しずつ増えてくると、かかわる周囲の人たちにも自然とそんなサプライズな贈り物ができるようになるのではないだろうか。

 

それは、相手との何気ない会話を聞く姿勢を持つことから始まる。

相手が何を望んでいるのかという情報を心に留めておき、アンテナを立てたまま日々の生活をする。

ふとした時に出会うモノたち。

あ、これ、きっとあの方好きだろうな。

 

そうやって贈ったり贈られたり。

 

それは、相手が負担に思うほどの贈り物ではなく、頂いた時、もっと贈り主と時間を共有したいと思うと同時に、早くおうちに帰って頂いたものを広げたい。そんな贈り物。

それが、きっと本当に喜んでいただけた贈り物ではないだろうか。

そんなささやかな贈り物がたくさんできるようになり、相手の笑顔を実際に見れることが、私の描く理想の人間関係のひとつだ。

そこには、必ずしもモノが媒介せずとも、時には言葉だけであったり、ただ時間を共有するだけであったり、電話で声を聞くこと、手紙であったり。

 

それらは特に、時間がお金よりも如何に貴重であることが染みついてきた年齢に達した今だからこそ、与えたり、受け取れる特別な贈り物である。

 

 

このリングたちは、画像では分かりにくいがどちらも箱型になっていて、真珠が半分だけ顔を出している。

白い真珠の方は、サイドからも真珠が覗ける。

蓋を開けたら、

びっくり。

にっこり。

びっくり箱リング。

 

 

This is for you.

Please open it.

Surprize!!

 

I want to see your huge smile!!

Just I want see it.

 

 

 

 

 

2018.03.17

 

 

少し前にご紹介しましたドレープペンダントのリングバージョンです。

 

 

 

出来上がってみると

手のひらに蝶が止まっているようなイメージにも見える。

 

全体はつや消しの仕上げ。

 

セットアップ使いをされるなら、ひとつは手元のものいれることをおすすめします。

リングとペンダント。

ブレスとピアス。

ブローチとリング。

 

手は、色んなところに動きますから、さり気なさとちらちらご自身の視界に入ってくることで密かな楽しみにもなる。

 

先日、愛知展でお会いしたお客様が、前回お求め頂いたペンダントをつけてお越し頂き、

今回は職場でも差し支えなさそうなリングを、ということでご相談を受け一緒に選びました。

色んなお話をしながら好きなラインや似合うラインが把握できた頃合いを見計らって、本音を話してみた。

 

職場でもプライベートでもとなるとどうしても妥協したチョイスになると思うんです。

どうでしょう、この際、本来のお好きなものを選ばれた方が後悔が少ないと思います。

その上で、選んだものが職場でも大丈夫かどうかを改めて判断してみてはどうですか。

 

おそらくご自身でも心の中でそうしたいと思いながら選び兼ねていらっしゃったのでしょう。

私の言葉を聞くと、

そうですね!そうですね!よし、そうします!

即、選ぶ目線を切り替えて、最終的に3つに絞りプライベートが基本というリングを気持ちよく決めて帰って行かれました。

 

実は、私もサラリーマンをやっていた若い頃、服を買いに行くと、どうせなら仕事でも着れそうな服。

そんなことをいつも頭の中に残しながら探していたのです。

 

季節感のある心浮き立つような色や気になるデザインに後ろ髪を引かれながら、結局選ぶ色は、白やベージュ、グレー、紺。デザインはベーシックという普遍的なもの。

そんな買い物は、いつもどこか不完全燃焼であまり楽しくなかったのを記憶している。

 

どっちも、兼ねる。

それは、必ずどちらかにウエィトが置かれたチョイスになるもの。

もう片方には、妥協がつきまとう。

 

それは、満足していない選択なので自然と出番が減る。

 

私は最初からブローチ兼ペンダントトップといったツーウェイスタイル狙ったアクセサリーは滅多に作らない。

必ず、基本となるスタイルの仕様を重視した作りにする。

やはり、どちらもとなると、仕様に無理が出てきてデザイン自体がどちらも美しくなくなる。

それが個人的な意見による理由です。

 

巷にあるリバーシブルのもの。

おそらくほとんど片方でしか使っていないのではないでしょうか。

 

ただ、リングやブレスを紐掛けしてネックレスに、といったアクセサリー使いを遊び楽しむことは多いにおすすめしたい。

 

シーンを考慮するよりも、好きか嫌いかで選択をする。

そんなお買い物は、やはり後悔が少ない。

そして、不思議と既に持っているものとも相性が良いものです。

 

 

本日は、ドレープリングのご紹介でした。

 

 

 

 

 

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