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Ring

2016.01.14

幸福な朝

 

曇りの日々が続いている。

冬の空の白い雲から透ける太陽。

 

作業場で仕事を始めて1時間ほど、制作モードが加速してくる時間帯だ。

ビルとビルの間をゆっくりと進みながら、白く暖かい色した太陽の光がふんわりと作業場にいる私の全身を包んでくれる。

 

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 

 

冬のこの時間帯は、例えようのない幸福感を味わうことができる。

 

冬空になると決まって思いだす朝食がある。

 

ストックホルムで滞在したホテルでの朝食だ。

レストランは外と部屋の境界線が感じられないほどの大きなガラスがはめこんであった。外は白樺の木立で、風にこすれる葉っぱの音が聞こえ、鳥たちが朝食をついばんでいる様子もよく見えた。

 

レストランには大きな暖炉があり、その前にはふかふかの心地のよい一人掛けのソファや、テーブル席、カウンター席、一人席、滞在しているいろんな人々が好きな場所で、新聞を広げながら、家族と団らんしながら、朝食を楽しんでいた。

 

メニューはシンプルな朝食の定番メニューのビュッフェ。

とりわけ、気に入ったのが卵メニューだった。

ボイルドエッグに関して、ゆで加減が4分、6分、8分、10分、12分と小刻みに分けてあり、15分という固ゆでのものまでがそれぞれかわいらしいかごに盛ってあった。

 

ここまでの細かさで用意してくれているホテルに、今まで宿泊したことがなかったので、とても印象的だった。

そのほかの卵メニューが、

スクランブルエッグ。

オムレツ。

ポーチドエッグ。

サニーサイドアップ。

なんだか、とても幸せな気持ちになったことを思い出す。

白樺の木立に射す太陽。

朝の冷たい空気がじんわりと温まり、朝陽を含んだ白い空気が、ゆったりと木立の中を流れてゆく光景を、暖かい部屋で暖かい朝ごはんとともにテーブル越しに眺める。

 

そのとき感じた幸福感が、この時期の朝の太陽が私を包むように射す時間帯にいつもよみがえる。

 

みなさんもそれぞれに、幸福な朝の記憶をお持ちでしょう。

 

 

というわけで本日は、サニーサイドアップ。

目玉焼きなリングとペンダントのご紹介でした。

 

 

 

 

2015.12.17

 

 

突如、雪が舞った1日となった福岡です。

 

忙しいという言葉は口にしたくないが、今月は本気で慌ただしい。

段取りを組み間違えると、周囲に迷惑をかけてしまう。今週は非常にスリリングなスケジューリングでハラハラしていたが、本日、なんとか目処が立った気配。

suiteki ring

 

ほっとひと安心。

 

先日、東京のお客様と電話で話していて、電話の切り際にとても気遣いのあたたかいお言葉を頂いた。

「年内とても忙しそうですね。そういう時は、くれぐれもケガに注意してくださいね。」

 

!!!

そう!こんな時は本当にケガに注意しなきゃいけない。

張り詰めていて、次にこれをしてその次があれで、そして今日中にあれまでやったら、明日が動きやすい。途中にあそこにも顔だしておかなきゃ。じゃあ、ついでに今日、あっちまで足を伸ばしておくかな。

 

そんなことで頭がいっぱいになりながら、横断歩道を渡ったりしていると、 まるでマンガのように転んだりし兼ねない。

路上コントさながら。私なら、大まじめにやってしまいそう。

そうよ。気をつけなきゃ…

 

思い出したように突然、雪が風に舞い始めた。

暖かい部屋から眺める雪景色は、とても美しくみえるもの。

手を止めて、顔を上げそっと体中の力を抜いて、深呼吸をしてみた。

 

せかせかと頭の中で急いで思いを巡らせても、時間を稼ぐことはできない。

 

窓ガラスいっぱいに舞う雪景色を見ながら思った。

この雪もどこかで時の経過と共に水滴へと変化する。

 

少し前にご紹介したピアスの水滴シリーズのリングたち。

suitekiring3

3年ほど前にご紹介した隠れ人気のトイパールリングと重ね使いを意識して作りました。

 

 

 

 

 

 

皆さんも、この時期言わずもがなの多忙さに圧倒されていることだと思います、くれぐれもケガや事故に注意してくださいませ。

 

本日は、雪ではなく、水滴リングのご紹介でした。

 

 

 

 

2015.11.07

 

 

 

nire oasis

 

 

 

人はオアシスを見て死ぬ。

 

 

 

 

そんな、砂漠のことばがあるらしい。

 

オアシスを見つけただけで、安心してはならない。

そこに実際に辿り着くまで何が起こるか分からない。砂漠ではそのことを決して忘れるな。

 

そんな意味らしい。

 

人はそれぞれ心の中にオアシスを持っている。形も景色も広さも千差万別。人の心の数、存在するのであろう。

それなのに、或る時、私は自分のオアシスへ辿り着けなくなった。

百万偏通った筈の自分だけのオアシス、 肉体なしでゆける筈の自分だけのオアシスへの道で、突如迷子となる。

あの場所は幻想だったのだろうか。

そんなことを思い始めると、途端に身動きがとれなくなり怖さを感じるほどだ。

 

深呼吸をする。

目を閉じて、もう一度ゆっくりと目を開ける。

私は、いつものオアシスへ行きたいんだ。

そして、足が動くままに歩き出す。

 

その道は、頭脳が記憶している道とは違う。

記憶した道をゆこうとすると道は消える。

 

私のオアシスへ道は、私の心だけが知っている道。

 

私の心がオアシスへの道を2度と見失うことのないように。

 

 

 

リング「ナイルのオアシス」

 

このリングは実は、少し前にアップした「ナイルの庭」の続き版である。

テーマは同じ、オアシスという心の居場所。

 

どちらも福岡個展で初デビューとなりましたが、いろんな方に気にかけていただきました。

特に「ナイルの庭」に関しましては、20代男性、50代女性、50代男性、そして40代女性の指先、ジャストフィットでナイルの庭の居場所が決定しました。

本日アップの「ナイルのオアシス」リングは、画像ではわかりにくいかもしれないが、サイドにゆるやかな溜まりが流れ出しているイメージでエンドはすっと立ち上がっている。

面と隆起で曲線を表現し、オアシスという安住の囲われた空間を表現している。つもり。

 

「ナイルの庭」は、男性的。

「ナイルのオアシス」は、女性的なイメージで表現した。つもり。

 

私の指先では、オアシス拡大中。の、つもりデス。

 

 

 

 

 

2015.10.21

メンズリング

matusita ring

どれだけ待たせてしまったことか。

ふたつ目のリングをオーダー受けておりました男性のお客様のフルオーダーリングが出来上がった。

 

昨年、初めてリングを手にするという50代男性のために創ったひとつめのリングは、エネルギーがテーマのなるべく抵抗なくつけられるようにとマットな仕上げにした。愛用される中で、今度は少し派手めのものが欲しいとのことで依頼を夏前に受けていた。

今回のデザインテーマはゆるやかな遊ぶ風。

どんなものでもそうなのだが、似合うものそうでないものが存在する。

納めるまでドキドキだった。なにしろ随分と待たせてしまってたし。

納品袋にごつい手を入れ、じゃじゃあ~んと効果音まで口にしながら、そっと取り出す。

全容を見た瞬間、おおお~!!ご本人のにっこにこの笑顔が見れた時は、とっても嬉しかった。

人差し指にはめるという前提でデザインしたのだが、デザインを上下反転させたり、右手にはめたり左手にはめたり、中指で試したり、手をかざしてみたり。

 

ああ。男性も女性と同じような気持ちになるんだなあ。

なんだか少年がずっと欲しかったおもちゃを手に入れたような面持に、こちらの方までハッピーな気持ちになった。

人が純粋に喜んでいる姿は、なんとも気持ちの良いものだ。

ああ、この仕事をしていてよかった!!

心からそう思える瞬間だ。

こちらの方が喜びを貰っている。

 

次はバングルが欲しいと笑顔で帰って行った。

肩の力も抜け、自分を知りゆるやかに遊ぶ風、そんな50代のイカすおとこたち。

もっともっと増えて欲しいものだ。

 

 

 

2015.10.16

 

夏に拾った石たちをテーブルに並べて眺めていたら、ざざあーっと波が寄せてくるようにイメージがまとまりました。

!!!あした、創らなきゃ!

予定していた制作スケジュールを繰り下げての割込み制作で完成しました。

 

「Reihoku」シリーズと名付けてしばらくすべて一点モノで展開してまいります。

まず1作目は、リングです。

isi ring

海が居場所のモノ同士が寄りそってます。

 

 

 

着けるとどうなる?

 

 

 

isi no te2

 

向きを変えると、表情も変わる。

 

 

 

 

 

 

isi no teう~っむ、私も欲しいんだけどねえ、一点もの展開になるので、ひたすらがまんです。

福岡個展ではおおぶりなペンダントとセットアップで登場します。

この研磨され形作られた自然美に、助けられたシンプルなデザインです。

 

色も絶妙なグレーです。

 

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