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Ring

2016.07.13

 

 

 

2人の武士が友人となり、義兄弟の契りを結ぶ。

それすなわち命を預け合うという、侍にとっては至極大事な関係だ。

2人は遠く離れた場所に住み、別の主君に仕えている。

菊の花が咲く頃にあなたのところに何があってもうかがいます。

それでは用意をして待っていましょう。

 

 

ageha new

 

 

しかし、友は藩のトラブルに巻き込まれ監禁の身になり、外出はどころか手紙を送ることも出来ない。

 

夏が終わり、秋が深まり、菊の花が咲く季節がやってくる。

このままでは友と交わした約束を果たせない。

侍にとっては、信義よりも大事な約束。

 

侍は腹を切り、魂となって千里の道を走り、友の家を訪れる。

そして、菊の花の前で心ゆくまで語り合い、そのまま地表から消えてしまう。

 

 

上田秋成の「雨月物語」のとても美しい話だ。

 

異国の人が日本文化に憧れるのは、こんな侍魂の真髄部分を受け入れられた瞬間から始まるのだろう。

なにより、侍魂は持たずとも自分が日本人でよかったと思える話でもある。

 

リング「あげは」。

 

何が関係あるかって?

美しい蝶へといずれ変わる、変身!なのです。

 

 

 

 

2016.07.02

 

 

今年も半年が過ぎた。

上半期最後の個展、山口展も無事一昨日をもちまして終了いたしました、

ご来店頂いた皆様、オーナー並びにスタッフの皆さま心よりお礼申し上げます。

来年は九月の予定となりました。

また、お会いできる日を楽しみにしたいと思います。

 

久しぶりに作ったダンスリング。

 

すでにお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、

これは初めてニューヨークのMOMAで鑑賞した巨匠マティスの絵にインスパイアーされて作ったリングである。

 

dance

 

 

画集でみるよりもはるかに幸福感を感じる絵だった。

人が人として素のままで生きることがこの世の最高の美しさである。

 

うまく踊れなくても、うまく歌えなくても、生を謳歌できることの喜びをひとりではなく共に祝す。

そんな気持ちがふかふかと生まれ、その幸福感がきめの細かい真綿のように体中を包んでくれた。

 

 

恐れ多くもなリングだが、自分の形に置き換えたリング、ダンス。です。

 

 

ひとつの節目を迎える年齢になった自分を、ふと思い返してみた。

 

 

30代は走っていた。

自分軸では走っているつもりはなかったのだが、何かと周囲の方にそんなイメージを持たれていたようだった。

 

今、思えば自分なりにただ必死だったんだろう。

それが能力以上の事をやろうと力んでいるように見えていたのかもしれない。

 

40代前半もその気配を残していたように思う。

 

40代半ばを過ぎた頃から、気が付くと若干の気持ちの余白を感じられるようになった。

経験値と時間の積み重ねは侮れない。

 

人生には走り続けなければいけない動の時。

我を顧みて新たに知を蓄え、咀嚼し続けなければならない静の時。

そして、それらを経てゆったりとすべてを味わう受動の時。

さまざまな時が用意されているが、おそらく受動の時以降からがいちばん、人として生きることを謳歌できる時に突入するのではないだろうか。

 

いつかは踊る時をもてることを願って。

 

 

 

 

 

 

2016.04.19

メンズリング

 

 

しばらくぶりのアップとなります。

まず、熊本、九州地方の震災、心よりお見舞い申しあげます。

未だ油断ならない状況下であることも含めまして、一刻も早く心休まる時が訪れることを祈るばかりです。

抗えないものがこの世にはあるということを、災いの度に再確認させられます。

そして、それでも日常を続けなければならない。

そのことが我々人間に与えられた最も重要なことであるということも、再確認させられました。

 

 

さて。

以前ご購入いただいておりましたメンズのお客様が、友人たちと集まったときに身に着けてくださったリングをご覧になられたことがきっかけで、お客様のご友人ご夫婦からオーダーを頂いておりました。

 

P4170079

 

 

 

 

P4170078

 

 

 

せっかくオーダーするなら、奥様もご一緒にということで、ご夫婦にお見えになり全く同じデザインではなく、同じ系統のリングでゆるいペアリングとなりました。

40代後半のご夫婦。そんなペアリングもなかなかよいですね。

何よりもご主人が奥様に一緒に作ろうと声をかけてくださったとか。

 

素敵なお話です。

 

ご主人のリング。

定番で弓張月というリングがあるのですが、そのリングをとても気に入ってくださいました。

でも、定番のものでは少し女性らしいラインが前面に出ていたので、キープコンセプトでメンズの力強さとシャープさを主張するデザインにアレンジしました。

 

メンズを作り始めてゆっくりと展開しながら感じたのだが、デザインをメンズのために起こすというよりも、いつもの自分らしさでデザインしたものの方が男性のお客様がヒットして下さる。

 

デザインソースを案外大切にされる男性が多いように感じているこの頃である。

そこは、男性独特のロマンティシズムとデリケートさがあるように思います。

 

奥様が選ばれたのは、太陽がテーマの陽光リングでした。

 

月と太陽。

お互いが自由に選んだものだというのに、夫婦ペアリングにふさわしいチョイスとなったそのあうんの呼吸に、こっそりと感激した私でした。

 

 

 

 

 

2016.02.23

桜色のシンデレラリング

 

 

久しぶりにおおぶりリングが完成。

暖色系に撮影されてしまったが、実はこのパール、上品な桜色したパールなのです。長い時間の経過とともにまるで銀と一体化したようなころころっとしたフォルムでまとめてみた。

 

このようなちょっと珍しい真珠を使うものは、どうしても一点だけとなってしまう。

この手のリングをシンデレラリングと勝手に命名している。

 

kororing2

 

 

指が通る部分の径に対して、トップのデザインの大きさやバランスというものがある。トップのデザインから指がくぐる腕の部分へのつながりの部分は、できることなら流れるような立体となるようなデザインをこころがけている。

そして、着け心地はもちろんだが、はずしたときの全体的なバランスがベストであることも大切にしたいと思っている。

シンデレラリングを出展するときには、いつも祈る。

どうか、このリングを欲しいと強く願う方に、ぴったりのサイズでありますように!!

と。

祈りは通じるのかもしれない。

不思議とシンデレラリングをご購入される方は、サイズがぴったりで、且つはめた瞬間に即決されていらいっしゃいます。

 

koroing

 

 

本日ご紹介は、シンデレラリング仕様の、桜色したころころリング。

実は、セットアップのペンダントも作りました。

本当に上品な桜色の真珠なのですよ。

ごめんなさい。カメラ技術が足りなくて・・・

 

2016.02.05

 

じわじわとメンズのお客様も増えつつある。

20代の後半ヤング(死語)なメンズが、定番化している翼リングをオーダーされました。

写真展でもトリを務めた翼リング。

 

 

実はこのヤングなメンズ。

ちょい悪風お父様が先客だったのですが、二つ目のリングを購入されたのをひそかに息子さんがチェックしていて話題になったらしく、息子さんと一緒に個展にやってこられてオーダー至ったという経緯。

 

りょうすけつばさ

 

 

 

 

ヤングなメンズは、リングとピンバッジでずいぶんと悩んでいた。

 

「最初は勇気がいるかもしれんけど、付け出したら楽しかばい!気分も上がるぜ。

どうせ買うなら、リングの方が断然、差をつけらるっぞ!俺は今年はバングルとやらに挑戦や!」

 

そんなアドバイスをしながらガハハと豪快に笑うちょい悪風父親は、還暦が近い。

 

後日、ちょい悪風父親からメールを頂いた。

ヤングな息子さんは、リングをはめたりはずしたりして、にやにやして鏡の前で、

「いつもの俺じゃなかばい!」

とつぶやいていたとか。

 

うれしいお話しメールを読みながら、こちらまでにやにやしてしまいました。

 

しかし、ヤングなメンズは手が奇麗だねえ。

まるで、女子の手だあ~。

 

 

 

 

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