2016.02.16
コインパール
この仕事をしていると、生業としてものを作っている方々にお会いすることが多い。
そうなると必然的に魅力的なものに沢山出会う。
気がつけば、食器棚には20年ほどかけて集めた作家さんの作品たちが思い出とともにひしめき合っている。
それだからか洗い物の途中で、派手に器を割るということは殆どない。うっかり縁が欠けたりしても、研磨したり、接着したりして使い続けている。
クリエイター同士がお互いの作品が気に入った場合は、物々交換という形で支払いを精算することが常である。
このシステムはお金でやりとりするよりも独特の満足感と喜びでいっぱいになる。
お金で買うよりも二重の喜びが得られるような気がするのだ。
先方もきっと似たような気持ちなのだろうと思うことが度々ある。なぜなら上がったテンションがこちらにも伝播してくるのを感じるから。
いつもの私の買い物スタイルはこんな感じだ。
もしも自分にとって魅力的でそばに置きたいと思うものに出会ったとき、なんとなく値段を予想してみる。その後、初めて値段を記してあるタグを見る。物価としての値段は自分が支払えるかどうかという個人的な数値でしかない。
そうすると、ほんとうに必要なのか欲しいのか、という隙間な目線が自分に冷静さを与えてくれる気がする。
ただ、作家さんとの物々交換のお買い物は、このお買い物スタイルとは別なものだ。
何しろ、それを作ったご本人に会えているということに加え、同じ作ることを生業としているという意味においても時間的な共有をしているような気持ちになり、深い満足感を得られるように思う。
お金で買えるものには、ときにお金で買えないものがくっついてくることがある。
それが商品を通して生まれる縁というものではないだろうか。
円を使って縁を得る。
円が発生しないお買い物スタイル、物々交換。
クリエイターたちは、わらしべ長者的お買い物を楽しんでいるのです。ふふふ。
本日は、コインパールを使ったシンプルチョーカーのご紹介でした。