2020.01.29
煙ピアス。
このピアスは、駆け出しの頃に作ったものだ。
アクセサリーを作り出して20年経った時に、記念イベントとして写真展を行った。
デザインソースのイメージに近い自然や風景、情景などをカメラマンと探し、作品と一緒に撮影した写真とそのアクセサリー、それらをストーリー仕立ての詩と共に展示するというイベントだった。
これは、その時に使った写真である。
プロが撮ったもの。
煙をイメージしたピアスだったので、背景に煙、と言いたいところだがなかなかうまくいかず、実はドライアイスを使ったもの。
煙の作り出すシルエットはなかなかに美しい。
いっときも留まらず、それでいて綺麗な曲線や渦、線を無数に生み出す。
我々が目にしているのは、空気の流れの美なのだろう。
暗闇で見る空気の流れは、再び見ることのできない美だった。
夏休みになると訪れていた祖母の住む大きな家。
蚊取り線香の煙がすうっと立ち昇るのを、縁側の向こうの庭を借景に見ていたこと。
そそて、夕刻になると煙の匂いが決まって漂ってきていた。
あの匂いと煙は、私にとっては少しだけノスタルジーでもある。
定番ピアスの煙ピアス。
しばらくぶりに作ってみました。