2015.11.27
一気に寒くなった。
昨日、夕刻には雹がガラス窓にぱちぱちと音をたてて降ってきた。
ぷるぷると震えながら表面張力でもってぎりぎりの状態で形を保っている水滴たち。
少しでも衝撃が加わると、一気に形が失われる。
そんな寸前を表現してみた銀色の水滴ピアス。
小さい水滴と大きい水滴。
日々の営為の中で、いつもの今を保てているのは、見えない絶妙なバランスが働いているから。
相手や全く関係ない他人を通して、やっと見える自分自身のバランスというものがある。
自分が経験したことを巻き戻して見せてくれる八ミリビデオが、ひとつの感情というメッセージを付加して、今度は早送りされて現在の自分の立ち位置を見せてくれる。
今年もかかわった様々な方々を通して、自分を知ることができた。
人は、自分の経験値でしかイメージや感情整理をできないもの。
自分自身の経験値が果たしてどれくらいのものかは分からないが、どうしてもダメだ、苦手だ、苦痛に感じてしまう。そんな理屈抜きの感情を、一番大切にするようにしている。
若い頃は耐えなければならなかったことも、ある程度の年代になってくると、それが許されてくるときがやってくるのではないか。
そう思っている。
努力を怠る、成長を止める、それとは違うように思う。
それを無視し続けていると、自分自身の中の見えない絶妙なバランスが或る日一気に崩れて疲弊しきってしまい、元に戻すのに倍以上の精神的労力と時間を必要とするように思う。
好きな形を保ちながら、ここちよくぷるぷるっと揺れるくらい。
そんなバランスで生きていきたいものだ。
水滴シリーズは、リングとカフス、ピンバッジも展開予定です。