2015.11.19
ブローチか?ペンダントか?
悩んでいる。
これをブローチにするか、ペンダントにするか。
かなり大きめのモチーフで、ブローチになればコートの襟元をぐっと引きしめてくれそう。
ペンダントになれば、華やかな演出を一役になってくれそう。
私がなるべく気を配るようにしていることが、つけた時の重さと動きが女性の所作にどんな影響を与えるか。
である。
コルセットで体を締めあげていた女性のファッションが、ココ・シャネルを台頭にどんどん開放的になっていった時代。
女性は随分と楽になったことだろう。
私は日本人であり、日本が好きであると云うのに、恥ずかしながら自分できものを着ることができない。
成人式と短大の謝恩会以来、着たことがない。
つまり、人生で二度しか着ていない。
先月の個展に、渋い黒とグレーの紡ぎ風のきものをおめしになって、やって来られたお客様がいらっしゃった。
毎回、福岡個展にお見えになられるお客様である。
敢えて磨いていないと云われた銀の帯どめはかれこれ10年ほど前に作ったものだったか、きものの色といい感じにマッチングしていた。
お客様は、きものも洋服もどちらもおめしになられるのだが、洋服の時は微塵のいやらしさのない女性の香るような色気を感じさせる。
きもののときは、所作がとても美しく感じる。
会話にも知性と品性が伺われる、私の憧れの女性のイメージを持たれた大人の女性のひとりである。
今日は、きものにしようか。
洋服にしようか。
選べる装いはさぞ、楽しいことだろう。
ブローチになるべきか、ペンダントになるべきか。
こちらについては、どちらのバージョンも作ってしまおうかということで納まりそうである。