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2025 November

2025.11.24

庭の花

 

霜月とはいえ、昼間はまるで春のような気温。

快晴の日が続いている。

来月の大阪展の準備もおおよそめどがたち、ここのところ仕事が終わったあと、日が落ちる前に庭のことを少しずつやっている。

 

玄関横の小さな庭があり、そこのちょうど洗面所の窓から見えるあたりにちびっこい花壇を作った。

寝起きのコンタクトを入れる前のど近眼の目でも見えるように、インパクトのある色の花にした。

歯磨きしながら眺めている。

福岡に住んでいた頃、お気に入りの花屋さんがすぐ近くにあり、花の名前はちっとも覚えられなかったけど、好きな花を選び好きな花器に活けていた。

日課のようになっていたが、今思えば随分と訓練になっていたのかもしれない。

今は、スーパーの花屋さんでもそれなりに楽しめるようになった。

地味な花をどう生かそうか、と選ぶのも楽しい。

鹿児島に越してくることになった時、近くに花屋さんがないのがとても寂しかったけど、庭の花を家に飾れるように何かしら植えてゆこう。

そう思って1年。

やっと庭のことに着手できそう。

 

 

越してきて気付いたのだが、我が家に来られる方でお花好きな方々が、よく庭に咲いている花をお土産に持ってきてくれる。

買った花とは違う喜びがある。

その土地に咲く季節の花。

マンション生活で庭が無かったのだから、花屋で花を買っていたわけだが、つい色や形のニュアンスある洋花ばかり目がいってしまっていた。

ある時から満腹感のような感覚を抱くようになった。

和花は、気持ちが静まる。

葉を落とす場所次第で、どんどん洗練されてゆく気がするのが和花の特徴であるような…

 

 

今朝のお客様は、サザンカをお土産に持って来てくださった。

ご自宅に庭があるとは聞いたことがなかったのだが、来る途中に見つけたからなんと山に入って取って来たそう。

嬉しかった。

 

 

つぼみがたくさん。

咲くとよいなあ。

でも咲かずに蕾のまま、というのがまた和の味わい深さでもあるのよね。

 

お花好きな方へ、庭先の花をさりげなくお土産に持って行けるような庭にしたいな。

 

 

2025.11.20

選ばれるお皿

 

 

すっかり冷たい風が吹き、冬らしくなって参りました。

冬野菜が美味しい季節になり、あれこれとメニューを考えるのも楽しみのひとつ。

日が暮れるのが早い今時分の季節は、作ったメニューをどのお皿に盛るかをゆっくり考えてもまだいつもの時間に早いくらい。

 

 

月初めに行った骨董市で見つけた有田の古い小さな絵皿。

骨董コレクターの方が以前、本で触れていたのだが、華やかな絵皿に何を盛るか難しいと尋ねられるが、至ってシンプルな味付けの旬の野菜を盛るのがよい。

皿が豪華ならば、載せる料理は素材で勝負。

そんな風なことが書いてあった。

なるほど。

そういえば、西欧にもアスパラガスを楽しむためだけのお皿があると聞いたことがある。

 

アムステルダムで食べた旬のアスパラガスは、クリーミーでワインが何杯も飲めちゃうくらいだった。

あの時のお皿はちょうど何本かのアスパラガスの長さがおさまる窪みのある真っ白な器だった。

そこに整然と並んだほどよい硬さ加減のクリーム色の白アスパラガスに、半熟の卵がブランケットのようにふわっと根元あたりにかけてあった。

きびきびと働くお店の方がお好みでチーズをどうぞと、ガラスに入ったパルメジャーノチーズを置いていってくれた。

白のグラデーション。

春の陽射しにきらきらした幸福感。

食材を味わうために選ばれたお皿。

 

そのあと骨董コレクターの方の本に出会い、過去の経験と繋がった。

 

ちょっと真似して、私はこの小さなお皿で、真っ白な大根のお漬物を頂いている。

 

少し前に友人から頂いたお漬物用のガラスが大活躍している。

作家さんの作品だそうで蓋の部分は、かなり重くできていてお漬物石を兼ねている。

 

 

ゆずが手に入ったので、絞っておもし蓋をして一日。

お漬物ガラスをキッチンの出窓に置いていると、翌朝からもりもり食べられる。

 

新米にお漬物。

食べ終わると、現れる細やかな絵付け。

日本人でよかったなあ。

 

 

 

 

2025.11.13

紅葉登山

 

 

 

今年のくじゅうは、紅葉がマックスの美しさだと何人かに聞いた。

ミヤマキリシマもかなりの美しさだったそう。

山の紅葉は、待ちくたびれて痺れを切らしそうなタイミングあたりで、一気に1週間ほどでピークを迎え、あっけなくフィニッシュする。

タイミングを合わせての紅葉登山はなかなかである。

 

くじゅうには行けないが、南九州も今週がピークなのでは?

ということで、夏に屋久島へ行った同級生を誘って、急遽、霧島連山の韓国岳へ。

 

堪能して参りました!

山頂では、ちょうど雲が通過中とあって、背景真っ白。

しかもじっとしていると寒い。

ルートを変えて下山は大浪の池方面へ。

高度が下がるとガスもクリアになり、おそらく紅葉も楽しめるだろう。

ということで下ると、6合目辺りから右に左にとぐるりな紅葉に包まれました。

 

 

 

 

 

 

 

時折り吹く風に立ち止まり、木を仰ぎ見てあちこちで舞い落ちる葉を見届ける。

落葉が積もり土が見えない登山道を、かさかさと踏みしめながら歩く。

日常では仕舞われているゆったりとした深い時間に出会える。

そう、この感覚がたまらなく好きなんだよな。

 

山頂から眺めるもゆるような紅葉の山もよいが、山の中でまさに秋の色の妙を味わいながら歩き進めるのも秋山の魅力である。

 

ああ、あんな色のグラデーションのセーターが欲しい…

この角度から見える景色の一部が、我が家の庭ならどんなにいいだろう…

 

私の呟きに同級生は、クスッと笑った。

 

でも、私は本気でそう思っているんだけどなあ。

 

来週からぐっと気温が下がる模様。

山も冬山に向かう…

 

 

 

 

2025.11.10

壺中の天

 

 

昨日をもちまして無事に愛知展、終了致しました。

お運び頂きました皆様、心より感謝申し上げます。

 

さて、漸く秋の気配が感じられるようになりました。

先日、古いものが好きだという友人と、霧島で開かれていた骨董市に出かけてみました。

 

ツウな知識があるわけではないが、福岡在住時からお気に入りの古道具屋に定期的に出かけたり、出張に紐付けで京都の骨董市に行ったり、旅先でも見つけたらよく立ち寄っていました。鹿児島では今回、初めて。

オープン時間に入場して間もないタイミングで気になるものに出会ってしまった。

 

 

なんと、火鉢!

20年以上前に東京のクリエイター宅にお泊まりさせて貰った際に陶器の火鉢があり、みんなでその周りに集まって好きなお酒を片手におしゃべりした夜が、とても印象的で記憶の片隅にずっと残っていた。

マンション住まいでは、火災報知器がすぐに反応しそうだし風情がそぐわないよな。

和風の家に住むことがあったら、火鉢はいずれ欲しいなあと思っていた。

 

見つけた時にはびっくりしました。

お茶道具の火鉢だったそうで、同じものが2つあったが昨日ひとつ売れたそう。

今ではなかなか見ることができない一本の桐の木をくりぬいた中に銅がはめ込んだもので、大きさも手頃だった。

にこやかな店主が持ち主のお手製と見受けられるカバーも添えて下さった。

明治の文字が…

 

 

持ち帰ると早速、しっかりふきあげて家具用のオイルを補給し念入りに磨きあげましましたら、大胆な柾目が現れて堂々たる迫力となりました。

 

 

 

店主が丁寧な説明をしてくださった。

夏は、来客時に氷を入れてビールを冷やしておくのもいいよ。

ワインクーラーにしてもいいし、花を投げ入れして床の間に飾るのもいいね。

わあ!楽しくなってきました!ちょうどいいあんばいのお皿を乗せると、広縁でカフェテーブルにもなりますね。

店主も終始にこやかに対応してくださり、火鉢として使う時の、適切な灰の量や灰が手に入らない時の灰の作り方、換気には充分気をつけること。色んなことを教えて下さった。

炭はバーベキュー用は勧めないよ。ちょっと高いけど国産を使ってね。

 

骨董市や古道具屋では、かつての日本の職人の凄まじい仕事や豊富な素材、美しい手技を支えた道具たちに触れることができる。

 

現代の便利さに慣れている頭で生きている自分などは、学びやヒントに溢れている。まさに温故知新の真骨頂である。

加えて、骨董を長く扱っている方の話もすこぶる興味深い。

 

願いは叶うものなのだなあ。

いつか欲しいなあと思っていたもの。

まさか、今日、出会うとは思ってもみなかった!

そんなことを思いながら、家路へついた。

 

さあ、この火鉢を正しく火鉢として使うべきか、どうするか。

まさしく壺中の天。

壺中楽ならぬ、鉢中楽?

あれやこれやと妄想をしばし楽しもうと思う。

 

 

 

 

 

2025.11.05

愛知展の様子!!

 

 

先週の木曜日より始まりました愛知展の様子です。

今回は、連休と重なり飛行機がなかなか取れずに初日の日帰りとなりましたが、会期は9日の日曜までです。

 

 

植栽も昨年より更にバージョンアップしておりました。

ギャラリー内から見えるお庭の様子にも秋の気配。

 

 

 

紙縒ギャラリーでは、ディスプレイはオーナーさんが設えて下さいます。

什器小物も素敵です。

 

玄関先や庭先のお花などをスッと活けてくださり、とっても好みな空間に仕上がっておりました。

 

今回、愛知では初お披露目のときシリーズの作品の中からフデリンドウに寄せて、庭先の伸びやかなリンドウの花を玄関先に活けてくださっていて、お客様のお見送りの度に少しずつ開いてゆく感じをこっそり見てました。

 

 

 

次回は、再来年の春ごろの会期の予定になります。

明日からの会期残り4日間、ぜひお運びくださいませ。

 

 

 

 

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