2025.11.10
壺中の天
昨日をもちまして無事に愛知展、終了致しました。
お運び頂きました皆様、心より感謝申し上げます。
さて、漸く秋の気配が感じられるようになりました。
先日、古いものが好きだという友人と、霧島で開かれていた骨董市に出かけてみました。
ツウな知識があるわけではないが、福岡在住時からお気に入りの古道具屋に定期的に出かけたり、出張に紐付けで京都の骨董市に行ったり、旅先でも見つけたらよく立ち寄っていました。鹿児島では今回、初めて。
オープン時間に入場して間もないタイミングで気になるものに出会ってしまった。

なんと、火鉢!
20年以上前に東京のクリエイター宅にお泊まりさせて貰った際に陶器の火鉢があり、みんなでその周りに集まって好きなお酒を片手におしゃべりした夜が、とても印象的で記憶の片隅にずっと残っていた。
マンション住まいでは、火災報知器がすぐに反応しそうだし風情がそぐわないよな。
和風の家に住むことがあったら、火鉢はいずれ欲しいなあと思っていた。
見つけた時にはびっくりしました。
お茶道具の火鉢だったそうで、同じものが2つあったが昨日ひとつ売れたそう。
今ではなかなか見ることができない一本の桐の木をくりぬいた中に銅がはめ込んだもので、大きさも手頃だった。
にこやかな店主が持ち主のお手製と見受けられるカバーも添えて下さった。
明治の文字が…

持ち帰ると早速、しっかりふきあげて家具用のオイルを補給し念入りに磨きあげましましたら、大胆な柾目が現れて堂々たる迫力となりました。

店主が丁寧な説明をしてくださった。
夏は、来客時に氷を入れてビールを冷やしておくのもいいよ。
ワインクーラーにしてもいいし、花を投げ入れして床の間に飾るのもいいね。
わあ!楽しくなってきました!ちょうどいいあんばいのお皿を乗せると、広縁でカフェテーブルにもなりますね。
店主も終始にこやかに対応してくださり、火鉢として使う時の、適切な灰の量や灰が手に入らない時の灰の作り方、換気には充分気をつけること。色んなことを教えて下さった。
炭はバーベキュー用は勧めないよ。ちょっと高いけど国産を使ってね。
骨董市や古道具屋では、かつての日本の職人の凄まじい仕事や豊富な素材、美しい手技を支えた道具たちに触れることができる。
現代の便利さに慣れている頭で生きている自分などは、学びやヒントに溢れている。まさに温故知新の真骨頂である。
加えて、骨董を長く扱っている方の話もすこぶる興味深い。
願いは叶うものなのだなあ。
いつか欲しいなあと思っていたもの。
まさか、今日、出会うとは思ってもみなかった!
そんなことを思いながら、家路へついた。
さあ、この火鉢を正しく火鉢として使うべきか、どうするか。
まさしく壺中の天。
壺中楽ならぬ、鉢中楽?
あれやこれやと妄想をしばし楽しもうと思う。

