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2024.02.03

ペンと手帳

 

 

 

一昨年、念願の万年筆デビューを果たした。

万年筆はずっと憧れだった。

10年ほど前に万年筆特集の雑誌を購入し仕組みやメーカーごとの特徴などを下勉強をしたのだが、最後にペン先の太さ、ニブに随分と迷い、とうとう決めることができずに見送ったことがあった。

決断は早い方なのだが、自分にとっては高価な買い物であることと、そもそも字に自信がないのも理由のひとつだった。

一昨年、来年迎える制作活動30周年に向けての企画決意と準備開始の気合い入れに、ようやく購入に至った。その後、万年筆にふさわしくないクセの強い字を少しでもなおそうとペン習字に通い出して一年。

そちらの方はちっとも上手くならないのだが、まあ、字を書くときの意識はすこーしだけ変わったと云えるような…

万年筆の話はさておき。

 

 

 

新作ページでもご案内したのですが、始動しましたニューラインときの立ち上げの記念に、今回、手帳を手に入れた。というよりも出会ったが正しいかも知れない。

 

思えばかつてフリーランスとして独立した記念に、当時憧れだった革のシステム手帳なるものを持ったことがあったのだが、いつのまにか使わなくなり仕舞い込んでいたら、バインダー部分が劣化し、おまけにメンテナンスもしていなかった革部分がボロボロになってしまっていた。

以来、国産社の定番の年間スケジュールノートを使い続けてきた。

アトリエに持ち込むので汚れるのが前提というのもあり、使い勝手の慣れたノートには制作スケジュールや仕入れリストや仕事に関するto doリストなどいろんなことを書き込んで使用している。

しかし、ふと思いついたデザインや企画展のアイデア、本の情報や素敵な言葉と出会ったときのメモなどを書き込むスペースがないのが、いつも困っていた。

なぜか移動中に必要となるシーンが多い。

 

 

 

見つけました!

片手で持ってちょうど良いバイブルサイズで、軽くてラフで大人感のある手帳。

しかも、日本のメーカーと知った途端、即決した。

 

好きな革の色をチョイスしてレジに向かう途中、かつて購入して使っていた全く同じシステム手帳が目に入った。

新しく手にしていた手帳の革の色は、その色にとてもよく似ていた。

自分の中の色は、当時と変わっていない。

決め手はバインダー部分がコッパー色というのが粋な気がし、何よりも持った時の心地よさだった。

リフィルは、もちろん無地を選択。

手帳の上に万年筆を載せたイメージをして、ひとりにやにやしてしまう。

 

何を隠そう、文房具好きな輩だ。

これまで訪れたどの国でも文房具屋へ行った、寧ろ呼ばれて店に入るという気さえするほどの出会いばかりだった。

文房具店の持つ独特の静かな雰囲気も心地よく、それぞれの国の国民性や歴史のようなものが伺えてどこも楽しかった。

滞在中に2度足を運ぶ店もあったほど。

 

どんなにデジタル化は進んでも紙やペンは、なくなって欲しくない。

肌触りだけでなく、心触りのようなものがたまらなく好きなのです。

そして、何を描いてもよいという、自由と可能性を前にするあの静かな興奮が、幸福感を与えてくれる気がしませんか。

 

 

 

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