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2022.11.23

過去と今の自分との再会

 

 

 

先月末、暫くぶりに東京へ仕入れに行った。

前回訪れたのは3年前、色んな方との再会も盛り込んだ予定の上京だった。

東京在住のモノ作りの友人とは7年ぶりだっただろうか。以前お世話になったギャラリーのオーナーさんとは10年ぶりだったかもしれない。

変わらぬ笑顔に会えたのは本当に嬉しくもあり、励みにもなった。

 

 

 

 

 

そして今回、一番楽しみにしていた再会は、サラリーマン時代の同僚だった。

ひょんなきっかけで電話で話すことになり、上京する予定を伝えたらぜひ会おうという流れになった。

どれくらいぶりだろう。思い返してみるとなんと30年ぶりだった。

数え間違いではないか?一瞬、30年という時間にたじろいだ。

そうか、そんなに時間が経ったのか。

旅行会社に中途採用で入社してきた彼女は、一年ちょっとで福岡支店から東京転勤になりその後退職した。それからは全く連絡もとっていなくて年賀状のやりとりもしていなかった。

 

30年間どんな時間を過ごしてきたのだろう、少しドキドキしながら予約してくれたご飯屋さんに着くとまだ到着していなかったので、お店の方に予約が入っている旨を伝えていたら、後方から

「早かったやん!ふふふ、元気?」

彼女の博多弁。

振り向くとマスク越しの目元は、まさしく同僚だった。

変わってなかった。いい意味で変わっていなかった。

嬉しかった。

 

それからはもうずっと2人とも博多弁で、お互いのその後から今に至る話しを順番に聞いた。

 

不思議なものである。

共に過ごした人とはこんなに時間が経っても違和感がないものなのかと別れ際は名残惜しい思いで、次回は福岡で会う約束をして別れた。

 

若い頃の交流のあった人とどんなにブランクがあっても、会いたいなと思ったら時間をとって再会することは、結構いいものだな。

ホテルへ戻る地下鉄の中でそう思った。

人付き合いをまめに密にする方ではないのだが、不思議と一気に時間が戻れる仲がある。

それは、長い年月が経ったからそう思えるのだろう。

そしてもうひとつ、あの頃一生懸命であったことをお互いに知っていて、かつその後もそれぞれに一生懸命生きてきたという確信を相手の話を聞きながら理解するからなのだと思った。

そうやって相手を通して、過去の自分に出会い、今の自分を知る。

何か清々しい気持ちになれた30年ぶりの再会だった。

 

迷いも腹立たしさも悔しさも苦しさも寂しさも、全て時間と共に変化する。

どんな感情もたくさん感じた方が、味わい深いものになるのだろう。

そう思える未来の自分でありたいものである。

 

 

 

 

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