2022.08.23
初秋の気配
気がつけば4ヶ月ぶりの山。
ブランクを考慮し低山でコースもなるべく癒しルートで登ることにした。
今回は、八女市と日田市の境に鎮座の釈迦岳登頂後そのまま御前岳へと足を伸ばし、そこから折り返しのルートを組んだ。
釈迦岳登頂までは山ならではの爽やかな風に包まれてひさしぶりに味わう山の感覚にどっぷり幸福感を感じていた。
珍しい花や野鳥のさえずり、あちらこちらに見る朝露のアクセサリーたち。
動画に写真、撮影に余念がない。
40分ほどで釈迦岳ピーク到着。
パノラマと吹き上げる風を満喫した後、すぐに御前岳へと向かう。
しかし、ルートはこれまで経験した中では初の垂直鎖場が何度も出現。
鎖場は下りの方がかなり緊張する。
鎖だけに頼ってはいけない、体幹を使い重心移動をする感覚。
足の置き場に迷いが出ると、すぐにバランス崩してしまう。
低山にして最強ではあるまいか。
癒しルートの筈がこんなに険しいとは。
もう少し等高線をじっくり見ておくべきだった。
それでも予定通りに2座獲得で下山した時のあのみなぎる満足感。
山への楽しみは変化していないことに安堵した。
もうひとつのお楽しみ、登山の後の温泉。
今回は、日田温泉。
立ち寄りの温泉に選んだ老舗ホテルは、三隈川沿いの最上階にある天空の露天風呂。
前方には津江山系の山々と先程登った釈迦岳と御前岳を確認しながら、見下ろすは九州最大流域という一級河川の三隈川。
接岸されている何艘もの立派な屋形船も趣があり、山間に沈む夕陽が大きな川面にきらきらと反射し、とても美しい川だと改めて魅了されました。
五月の川開きには花火大会があるらしい。
それはさぞ趣のあることだろう。
残暑とは無縁の吹き渡る夕風。
脳の中まで蒸せるほどの暑さから、まさに生き返った気がしました。
ぬる湯に浸かりながら、2時間前のあの過酷さは薄れ、次の登山先を模索していた。
トレッキングは、忘れっぽい人間に向いているのかもしれない。
初秋訪れは、山では現実のことでした。
夏も終わりに近づいております。