2022.08.09
息抜き
先月、仕事の打ち合わせを兼ねて鹿児島に帰省した折に、1日だけ時間をとり友人と美山の窯元巡りをしました。
訪れたのは、沈壽官窯と荒木陶窯。
ご存知の方も多いかとは思いますが、薩摩焼には「白もん」と「黒もん」がありまして、白もんは、藩主の手にのみ納められ、黒もんは民衆の生活の中で広く使われてきたものでした。
現在ではどちらにも根強いファンを獲得しているようです。
沈壽官窯でひと目で気に入ったもの。
さて、これは何でしょう?
実はこちら、薩摩焼の襖の取手なのです。
内側側面上下に穴が開いています。真鍮の釘がセットになっておりました。
なんて粋な装飾だろう、とちょっと感激してしまいました。
図柄は吉祥紋様の四君子。
梅、蘭、竹、菊の4種類がありまして、縁が黒か白か。更に形状違いもありまして、襖の表と裏に白、黒使い分けたりされる方もいらっしゃるとか。
我が家は現在、襖を外して生活しておりますので、しばらくこれを茶事の豆皿として使おうと思っております。
そして、いずれ正しく使う時が来るまでにぼちぼち残りを集めるかな…と。
美山は緑多い長閑なエリアで先代から続く窯元が多くあります。
手入れの過ぎない庭先の季節の花やそこに訪れる美しい野鳥たち、先代の幼少の時からあったという樹齢100年以上の大木など、よく目を凝らすと味わい深いものが多くありました。
非常に慌ただしく過ぎた先月、山もロードバイクも出来ずじまいでしたが、
こんな息抜きも良いなあと全身の緊張がほぐれました。
仕事を終えた翌日、新幹線の時間までの7時間ほどで美山の窯元2ヶ所と以前から伺いたかったターンウッドの木工作家さんの工房、そして老舗和菓子屋でお抹茶でいっぷく。そのあと2ヶ所ほどグリーンに特化したお花屋さん巡り。
1日だけとはいえ、随分充実したショートトリップ、夏休みとなりました。
違う土地での息抜き。
やはり素敵な出会いがあって楽しいものですね。