2021.11.20
3時間のオフタイム
ここのところずっと仕事が立て込んでおり、丸々1日オフになる日がなかなか得られなくてそんな1日が恋しくてたまらない。
朝目が覚めた瞬間から、今日は一日好きに使えるんだという気持ちをたっぷり味わいたい。
毎朝、そんな思いを心の奥に押しやってアトリエへと向かう準備を淡々とする。
いつも張り切ってアトリエに向かうのだが、目が覚めてこんな気持ちになる時は、実は疲れがたまってきているサインなのだ。
これを無視し続けると、どんと不調が現れ始める。
どこかでオフタイムを作らなければ。
完全1日をオフにできなくても3時間程度でも良い、予定をキャンセルしてでもオフタイムを作ろう。
思い切ってヨガをキャンセルすることにした。
さあ、何か好きなことをしよう。
何しようか。
先月訪れた福山、尾道のショートトリップで手に入れていた絣の端切れで時間ができたら何か作りたいと思っていたのを思い出した。
日本3大絣と言われた久留米絣、備後絣、伊予絣。
久留米絣はご存知福岡県久留米市。
備後絣は、広島県福山市発祥。
伊予絣は既に衰退してしまったという。
福山市の友人のおかげで手に入れることができた備後絣の端切れたち。
元々は野良着の用途だった絣も、現代では少しずつモダンな柄が増えてきて色のバリエーションも増えているようだ。
久留米絣の端切れもなかなか手に入らないのだが、リサイクルショップや雑貨屋で見つけるたびに少しずつ手に入れて集めている。
色々集めていても、やはり藍染の古典柄のものが魅力的に思える。
端切れを柄合わせしながら一枚のある程度の大きさになるように並べてみる。
そうだ。
おうどんやおそば、夏にはおそうめんを頂くときのマットを縫おう。
お椀とお箸を置いて大きさのあんばいを見てみるのだが、どうしてもサイズが足りない。予定していた形を諦めてオフホワイトの生地で縁取り風に仕立てて、面積を確保することにした。
出来上がりを眺めながら、あんな小さな端切れたちが、爽やかな麺メニューのマットに変身したことにひとり満足した。
端切れから何かを作ることは、サイズが充分にある布から作るものと違い、パズルピースを見て完成をイメージする楽しみがある。
暫くぶりの針遊びだった。
寒くなってくると、無性に針遊びがしたくなる。
そのせいか我が家には、かなりの数の食事やお茶用のマットがある。
来客や食器のイメージに合わせて作っていたら、いろんな形のマットが増えてしまった。引き出し5段では治らなくなってきている。
それでもどれも愛着があり、使い古したマットは、最後は鍋つかみや鍋敷きへと変身してゆくのです。
気分転換がはかれたおかげで、またいつものリズムが戻ってきた。
人間は完全に休むという日がなければダメですね。
次回は、今、準備を頑張っている大阪個展のご案内を致します。