2021.11.08
風を感じて
ご挨拶が遅れましたが、北九州個展無事に終了いたしました。
ご来場頂いた皆様誠にありがとうございました。
来月の恒例の大阪個展で2021年も終了。
うむ。早すぎた1年。
天気の良い日が続いておりますが、制作が立て込んでおりましてなかなか山にも行けない日々。
青空を眺めながら、山を思う日々が先月から続いております。
仕事を終わらせてからでは山には行けないが、自転車ならばと日没までの間に30キロほど走った。
初めてのコースだったが、坂道が7回ほど出現。
自転車を始めた頃は、ひとつの坂でもプレッシャーですぐにギアチェンジを行っていたが、この頃では勾配によっては忘れて漕ぎ進めて気づいたら登りきっていたり。
時速も少し早くなっていたり。
距離を延ばしても疲れが残らなくなったり。
と、初心者なりに進歩はしているようで、あんなに坂道は嫌だなあと思っていたのに昨日は4回連続でのアップダウンを完走した時には、ハートレートもそこそこの数字になってましたが、
坂道、しんどいが面白い。
と、サイクル仲間に言った自分に驚いた。
先月のことお客様が私のインスタをご覧になってた模様で、自転車に興味があるので少し話を聞きたいと連絡がありました。
まあ、教えるほどのことは知らないが女性目線と少しかじった人間からの情報は、いきなりお店に行く前の最低予備知識くらいは与えられるだろうと、経験談など交えてついつい語ってしまった。
のちに注文をしたと連絡があり、先日ショウルームに尋ねて来てくださいました。
購入きっかけは、息子さんがハマっていたという弱虫ペダルという自転車漫画とのこと。
この漫画のことは漫画を殆ど読まない私でも実は耳にしておりました。
かなりのヒットで近く実写映画も公開されるとか。
自転車を始めた頃、いったいどんなストーリーなのだろうとググってみたところ、高校生の主人公並びに登場人物たちが実に魅力的な実在する世界中の有名メーカーの自転車に乗っている、彼らは沢山の訓練やレースをこなしながら精神もが鍛錬されて成長していく青春ストーリーと解釈した。
ああ、これは男の子たちはハマるわな。
と。
ふと主人公の名前を見て吹き出してしまった。
小野田坂道。
坂道が得意なのか。羨ましい。
そんな話を交えながらのビギナー同士の自転車談義もなかなか面白い。
現在福岡の電車は、自転車ごと乗車可能な車両を設けてテスト期間中。
お客様の自転車が納車されたら、最寄りの駅まで行ってサイクリングを楽しみたいね。と、盛り上がっている。
どんなに景色がよくても平坦な道だけではやはりつまらなく感じてくる。
多少の坂道は必要なのだとさえ思う。
しんどい思いをしたり、スリルを感じたり、心地よかったり。
リズム。
人の生きる道と同じなのかも知れない。
守られているばかりでは、新しい自分にはなれない。
多少の努力とリスクが伴うからこそ、前進できるのかも知れない。
それは、実際に経験をしたものだけが知り得る価値であり、他人にとっても価値があるとは限らない。
乗り越えた自分には自信という副産物もついていくる。
たとえそれがどんなに並みのことであっても、己の中に常に蓄積されてアップデートされ続けて世界を広げ深める。
そう思うのである。