2018.04.29
サラリーマンOLとは、今はもう死語だろう。
その死語をまっしぐらに生きた時代があった輩なのだが、当時はオフィスの中を走り回るような忙しさだった。
装いは、タイトスカートにジャケットもしくはピンストライプシャツにスカーフを合わせてパンツスーツ。
足元はパンプス。
自分に気合の入る仕事着定番スタイルだった。
残業でくたくたになって家路につくとき、夜道に響く自分のパンプスの音のリズムを聞きながら、頭の中が真空な状態になって、オンからオフにだんだんと切り替わっていくものだった。
その短い時間が、妙に心地よかった。
しんどい事もたくさんあったが、働くという新しい世界が自分にとっては、毎日、とても新鮮で力が駆け巡るような思いだった。
こんなに楽しい世界があったのか!
それが、私にとっての社会デビューの感想だった。
振り返れば、あの頃が紛れもなく青春だった。
本来、青春とは学生時代を指す言葉なのかもしれないが、私にはどうにもあの20代半ば位までの働き始めた頃が、青春と呼べる時間だった。
年齢的な若さと青くさい真面目さのようなもの、己の経験の少ないことすら理解していない大胆さ。
ひたむきさ。
今の自分にもその名残のようなものはあるが、時間を積み重ねた分、質とベクトルが少し違う。
自分の能力の丈で、精一杯頑張ってたね。
過去の自分にそんな労いの言葉をかけてあげられるのもあの頃だ。
そして、必ずパンプスがセットとなったビジュアル回想が廻る。
パンプスはずいぶん長い間、履いていない。
正確には、もう一足も持っていない。
青春をともに過ごした何足かの歴代パンプスたち。
今でも、ふっと思い出すことがある。
懐かしのパンプスたち。
そんなパンプスがマチエールとなったピアス。
まさしく、OLさんが職場でつけていてもOKなシンプルさを意識してみた。
タイトスカートにジャケット、足元はパンプス。
今の私が着るとどうなのだろう。
過去の私がやって来てきっと言うのだろう。
はっきり言って、似合わないし!
そして、今の私がにやりとして言い返すのだ。
そうね。
でもこんな銀のアクセサリーたち、あなたにも似合わないし!