2018.02.08
本日は、寒さの中にちょっぴり春を感じた青空が仰げた1日でした。
京都展の作品諸々発送を済ませて、ひと息。
本日は、この頃作ったものでも最も個人好みな大ぶりなペンダントのご紹介です。
タイトルは、ドレープペンダント。
今の住まいに越してきた頃、寝室の出窓から見える夜空は、月の通り道で、秋夜には部屋のあかりをつけずにラグに座って壁にもたれかかりながらよく月を眺めていた。
お気に入りの時間だった。
レースのカーテンだけを引いた掃き出し窓からは、ふわありふわありとゆるやかなリズムで風が入り込む。
その度に、レースのカーテンが月夜の光を走らせながら膨らむ様子、そして息づかいのようなそのリズムは高貴な女性を思わせて、それはそれは美しかった。
静謐なる美しさとは、このようなものかもしれないと、
息をひそめながら、その光景を心の中の映像ストック室に大切に保管した。
残念ながら、そのあとすぐに月の通り道の夜空には高層マンションが建ちあがり、私的なお気に入りの時間が奪われた気がしてそのまま忘れてしまっていた。
少し前の寒い夜、うっかり薄着のままベランダに出たら、空には満月が静かに呼吸していた。
無意識の時間に突如現れた満月は、薄着であったのも忘れさせ、私の動きをしばし留まらせた。
今夜は満月だったのか。
とても綺麗。
冷たい夜の空気にさめざめと放つ月光は、偉大なる多くの音楽家達がマティエールにして名曲を残している。
心の中の映像ストック室から、ふっと浮かび上がった数年前に見たあの夜のレースのカーテンのドレープ。
月光色したドレスドレープ。
創らなきゃ。
月と女性の神秘的なかかわり。
大人になっても、泣きたくなるようなことは多々起こるものだ。
心の中にいつでも静かに呼吸する貴方だけの安らぎの月が住っていることを忘れないで。
日々頑張っている素敵な女性達に、つけてもらえたら。
そんなことを思いながらできあがったドレープペンダント。
今夜はどんな形の月なんだろう。