2017.05.03
ブルーメダルチョーカー。
女性の鎖骨と鎖骨の間をゆっくりと落ちてゆくイメージ。
ブルーのマヴェパールが蒼い地球のよう。
このスタイルは襟の開き加減をあまり気にしなくてよい、もちろんタートルネックが一番全体をキリッと見せるのだが、女性らしい開きのものでも、少し襟のあるものでも、表情を変えてしっくりおさまる。
スタイリストさん曰く、女性はある年代から少し胸元が開いて、デコルテが見えた方が全体的に華やいで美しく見えるらしい。
不思議と肌の一番綺麗な若い頃には、それは適切な美しさとはならないのだとか。なるべ隠すような装いがより綺麗に見えるという。
子供は、制服が一番だと。
うなずける。
どれくらい前だろうか、もうおそらく8年前くらいだと思う。
ミラノのモード発信エリアと言われる通りを歩いていた時のこと。
遠く前方から雰囲気のある女性が、まるでランウェイを歩いているかのように、コートをはためかせているひときわ目立つ女性がいた。
さすが、ミラノ!
手元の革張りの分厚いシステム手帳覗きながら、ケータイ電話でしきりに話している、ファッション関係者なのだろう。
ショートヘアの頭には大きなサングラスが、カチューシャ代わりのように無造作に持ち上げられていた。
サンドベージュの少し光沢の入った薄手の生地のロングコート。
袖は八分丈、裾の方に浮ついてないが華やかな彩りの綺麗で大きなモチーフの刺繍が施されていた。
その刺繍の重みが、コートの背中まで空気が入り膨らむことなく、歩くたびにいい感じにはためくのだろう。
近づいて気づいた。
女性は、コート下のボトムは、ショートパンツにヒールというスタイルだった。小麦色に焼けた肌にバニラ色のショートパンツ。
ショートパンツの丈も、スポーツユニフォームのような感じはなく、ヒールとのバランスが素晴らしい。
ああ、潔くて素敵だなあ。
そして更に近づいて気づいた。
女性は、明らかに自分より年上だった。
肌をどのくらい見せるのかその対比も含めて装う。
バランス。
アクセサリーを一切使わないと、決めていらっしゃる方がいます。
でも、少しは取り入れて見ると、年齢とともに生まれてくるコンプレックスを回避してくれます。
そして、きっとご自身が思う以上に素敵になれると思う。
ファッションは若い方のために存在しているのではない。
年を重ねてからが、楽しいのだと思う。
なぜなら、若い頃より、自分を知っているから。
そして、失敗という投資が糧となり目が肥え、年齢とモノとのバランス、距離感がとれるようになるから。
ファッションは、そんな発信の仕方をして欲しいと常に思っている。
それは、私自身、この仕事を始めた頃からずっと信念としていることだ。
志しのひとつだ。
女性が素敵である必須条件。
まず、心が弾むような日々を送っていること!
ですよね。
今日という1日に、瑠璃色のメダルを贈る。
そんな風に、毎日過ごしましょう。
ブルーメダルチョーカーのご紹介でした。