2016.07.13
2人の武士が友人となり、義兄弟の契りを結ぶ。
それすなわち命を預け合うという、侍にとっては至極大事な関係だ。
2人は遠く離れた場所に住み、別の主君に仕えている。
菊の花が咲く頃にあなたのところに何があってもうかがいます。
それでは用意をして待っていましょう。
しかし、友は藩のトラブルに巻き込まれ監禁の身になり、外出はどころか手紙を送ることも出来ない。
夏が終わり、秋が深まり、菊の花が咲く季節がやってくる。
このままでは友と交わした約束を果たせない。
侍にとっては、信義よりも大事な約束。
侍は腹を切り、魂となって千里の道を走り、友の家を訪れる。
そして、菊の花の前で心ゆくまで語り合い、そのまま地表から消えてしまう。
上田秋成の「雨月物語」のとても美しい話だ。
異国の人が日本文化に憧れるのは、こんな侍魂の真髄部分を受け入れられた瞬間から始まるのだろう。
なにより、侍魂は持たずとも自分が日本人でよかったと思える話でもある。
リング「あげは」。
何が関係あるかって?
美しい蝶へといずれ変わる、変身!なのです。