2021.12.19
おかげさまで今年最後の大阪個展も無事に終了致しました。
お運び頂いた皆様に心よりお礼申し上げます。
今年で10回目でしたでしょうか、大阪個展で出展しました絵付け師 室田志保氏による薩摩ボタンを使った作品たちをご紹介致します。
こちらはベツレヘムというタイトルの薩摩ボタンを使った作品で、
タイトルは祈り。
ピアスとネックレス。
盛り金の技術とプラチナを使用したシンプルな絵付け。大小そしてプラチナ色をイメージしてさまざまな星の大きさと色の真珠を使った星空でひときわ目立つベツレヘムの星をイメージしたピアスとネックレスです。
そしてこちらが紅葉の薩摩ボタンを使ったロングペンダントとリング。
タイトルは紅葉の時。
こちらは室田氏の技術と色彩感性を殺さないように、銀の量感でマイナスのデザインでバランスをとったものに仕上げました。
1年の間で美しく紅葉が染まる時間は短い。
その時間を閉じ込めた懐中時計を意して、紅葉の時というタイトルにしました。
最後に孔雀の薩摩ボタン。
繁栄と富を象徴するという意味を持つ孔雀。
スクエアの形をいかして、チョーカー風に仕立てました。
選んだ真珠の色もピーコックと呼ばれるもので、まさに孔雀の羽のような色ということで名付けられたものをチョイス。
上が作る前の薩摩ボタンです。
幅2センチ5ミリ程に、描かれた小宇宙の世界。
では、薩摩ボタンとは何か。
少しお話ししますと、江戸末期に倒幕運動などのために薩摩藩が外貨や軍資金を得る為に主に輸出していた伝統工芸品のひとつです。
白薩摩と呼ばれた焼き物に薩摩焼の技法を駆使して絵付けをした薩摩ボタンは、ラシャのマントを留めるボタンとして使われていたそうですが、多くは欧米に輸出されたらしく庶民が目にすることはほとんどなかったと言われています。
のちに窯元も減り一度途絶えた薩摩ボタンでしたが、絵付け師、室田志保氏によって現代に合ったモダンな絵柄で復活されました。
今でも多くの世界中のボタンコレクターの心を魅了してやまないものです。
私が鹿児島にて活動していた6年間の間に、不思議なご縁があり何度か一緒にお仕事をさせて頂きました。
おそらく薩摩ボタンのことは、テレビや雑誌などでしばしばご覧になられてご存じの方も多くいらっしゃったと思います。
大阪個展にてこちらの作品は、初日に全てまさにぴったりな雰囲気をお持ちの方々にお嫁入りしてゆきました。
少し寂しさもあり。でも、それ以上に嬉しい瞬間でした。
いつもと違う目線でアクセサリーを作る時間は初心に戻る思いで有意義でした。
皆様に感謝です。
絵付け師 室田志保氏の公式ホームページはこちらです。
小さな宇宙を体感されてみてください。