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2024 September

2024.09.30

犬島精錬所美術館

 

 

岐阜個展のあとの紐付けトリップ。

今回は初日在廊の後、以前から行きたかった場所2ヶ所を紐付けたスケジュールを組んだ。

まず1ヶ所は、岡山県の宝伝港より定期船で10分の犬島へ。

古くから花崗岩石切場として栄えていた犬島は、犬島精錬所という銅の精錬所があったそう。最も栄えていた100年ほど前には、人口5000人以上が生活していたという。しかし、のちにやって来た銅の大暴落により精錬所はたった10年で閉鎖。

現在は、人口50人ほどという。

訪れたかったのはその跡地と、美術館である。

 

 

一時期は、島に産業廃棄処分所としての話も持ち上がっていたそうだが、阻止すべく立ち上がったのは、この島に魅了されたアーティストとそれを支えたベネッセアートプロジェクトなどに加えて島民の理解も大きかったのでしょう。

美術館には、近代産業への警鐘を唱えていた三島由紀夫の書籍のフレーズを引用したオブジェや三島由紀夫宅の住まいの建具などを使ったアートなどが展示されており、体験型の強いメッセージ性があります。

 

 

 

 

 

炉や煙突、銅の余りカスとガラスを混ぜて作られたというレンガ、繁栄を極めた影を見渡しながらふと思った。

近代化産業遺産。

 

上り続ける産業というものは、無いのだろう。

そして、一瞬にして繁栄を極める産業は、一瞬にして没落する恐れを孕んでいる…

いつだって片隅に自覚しながら進む。

進むしか無いのが、近代化の性なのかも知れない。

そうやって次の時代へとシフトしてゆく。

随分と来てしまった…

まだ行き先はあるのだろうか。

 

紐付けトリップ、もう1ヶ所は?

次回へ続く。

 

 

2024.09.30

岐阜個展の様子!

 

27日よりスタートしました岐阜個展の様子です。

しばらくぶりの岐阜でした。

街はやはり少しずつ変化してゆくのですね。

すっかり初めての街の感覚でした。

 

 

 

 

 

木の温もりのある吹き抜けの心地よい空間の英蔵さんのスペースにて、ゆったりと展示させて頂きました。

 

 

和室のブースには個性的で全国的に活躍されていらっしゃる陶芸家や画家やアーティストたちの作品が常設として展示されております。

 

初日だけの在廊でしたが、会期は6日までとなっております。

ぜひご試着頂いてお楽しみ頂ければと思います、詳細は3つ戻ってくださいませ!

 

次は恒例の山口県光市のドゥログリーイケオカさんでの個展です。

イケオカさんでは、DMのご案内からSNSのご案内配信に変わりましたので、近くアップされる写真をお楽しみに!!

 

 

 

2024.09.22

岐阜展の案内はふたつ戻ってね!!暮らしを育てる空間 第二話

 

 

気がつけば月替えのカレンダーが今年はあと3枚だ。

何枚か間違って紛失したのかと思ったほど軽い衝撃の現実だった。

 

日中の暑さが夏を引きずっているが、もう秋の準備をしたいのが9月末から10月にかけての個人的な心模様。

部屋の中のファブリックをじわじわ変えてゆくのが恒例の秋支度ということで、環境の変わった今年もいそいそと実行した本日。

 

まずは、寝室。

 

 

パープルの色にビビッときたインドの刺し子、カンタのベッドカバー。

ライトヴィンテージとはいえ、発色がよく自作のベッドスローとも相性がよい。

朝晩の気温が落ちる今頃の季節には、ちょうど良い体温調整ができて重すぎず安心できる厚みがお気に入り。

 

次は、キッチンのちょこっとテーブルに栗色の久留米絣センターを。

この一枚を敷くだけで、出来上がったいつもの料理がまるで違って見える。

お皿の印象も変わる。器を置くときの音も柔らかくなる。

そして、この布を見るとさつまいもメニューを思い出すのです。

和の好きな色、芥子。

 

 

最後にリビングの大きなテーブルには、春と秋の入り口によく使うライトなオレンジのテーブルクロス。

なかなか見かけない暖かい陽だまりを感じるようなオレンジと白樺の木のような大胆なストライプに一目惚れ。

フィンランドのヴィンテージファブリックだそう。

なるほど長い冬籠りの生活環境で、太陽を待ち焦がれて生まれる。

そんなオレンジです。

もう一部擦り切れてますが、補修しながら使っております。

 

 

 

布の力は凄いと思うのです。

まさに魔法。

スツールや椅子、ファブリックを張り替えて何度も変身させながら長いこと使っているものが我が家には沢山ある。

 

若い頃は、異国に行くと必ず手芸店やファブリックショップに立ち寄っておりました。その国らしい端切れをあちこちで手に入れたり、リボンやトリム、ボタン…。

もう目が泳ぎまくったものでした。

いつかいろんな国の生地を扱う小さなお店をやれたらなあ、なんて思ったこともありました。

「ファブリックマジック」

ひっそりとお店の名前まで決めてたり…

 

 

嗚呼、人生という時間は長いようで気がついた時は残りが短いものなのね。

だって今年もあと3ヶ月だもの。

 

 

 

 

2024.09.14

岐阜展の案内はひとつ戻ってね!

 

 

 

暮らす場所が変わり、仕事と雑務、楽しい来客が続いた9月前半だった。

日没から気まぐれに降ったりやんだりを繰り返していた雨が、今は静かに降り続いている。

暑さがひっきりなしに続いていたせいだろうか。

夜の静かな雨は、不思議と心が落ち着く。

 

住まいが変わり1ヶ月が過ぎた、目まぐるしさと慌しさに句読点。

 

 

 

 

以前、展示台で使っていた厚みのある天板を広縁に床の間風に置いてみた。

夜の障子越しにふんわりと広がる灯りと香炉のシルエット。

障子の向こうに少しだけ広がるスペースの広縁は、これまで住んだマンションとは全く違い、とても新鮮で自由な感覚をもたらしてくれる。

実は、広縁にはもうひとつお気に入りのスペースがある。

二部屋続きの縁の突き当たりの壁に背の高い本棚を置き、ぐっと減らした文庫本や写真集や絵本をゆったりと並べた。その角の壁を背もたれにして座れるように置いた椅子。

いわゆるおこもり図書コーナー。

冬には、日向ぼっこしながら膝掛けと温かい飲み物を持ち込もう。

このコーナーを作った時には、いったい今年の冬はやってくるのだろうかと思うほど暑かったのだが、今夜は秋の入り口に立っていると思えるほどの、ざわつきもなく穏やかさに満ちている。

 

ふと、長く住んだ福岡での日常のシーンが次々と甦ってきた。

何度も渡った横断歩道。

ヨガの帰りに寄り道してたコンビニ。

早朝、自転車で出かけていたお気に入りのパン屋のモーニング。

定期的に立ち寄った花屋。

バスから見える福岡の街並み。

 

いい街だったなあ。

 

生まれた時からあまり住む環境が変わらない方もいらっしゃるかもしれないが、私はどうやら仕事や旅、趣味、引越しの数が多いことも含めるといろんな景色を見る人生のようだ。車の免許を持たないことで、見るものを留めておける程のスピードで生きているということも影響しているだろう。

暮らす場所が変わると、過去が折りたたまれ今をアップデートし、明日以降がどんどん分厚くなってゆく。

けれども何かの弾みで折りたたまれた過去が、まるでバンドネオンのように波打ち拡がりながら、今と過去を行ったり来たりする瞬間がある。

それは環境の変化がなじみ始めた頃や変化の起こる直前に多い。

 

かつて見た景色であったり、音であったり、言葉であったり、誰かの笑顔であったり。

これを思い出というのだろうか。

 

それは、誰とも共有できない自分だけのもの。

環境や暮らす場所が変わることは、体力のみならず気力も消耗するし、メンタル力も必要だが、過去の自分と向き合う機会を得られ、心の中のひだはどんどん広がってゆくように思える。

変化は、好ましい経験だ。

 

今夜の雨は、長く住んだ街に居た過去の自分と出会う時間を与えてくれた。

 

 

 

 

 

2024.09.12

岐阜個展のお知らせ!!

 

 

まだ暑さが残る中、朝、夕は風がどことなく秋です。

さて、岐阜個展のお知らせです!

 

 

末野美由紀

silver accessory 展

 

9/27(金)-10/6(日)

11:00-18:00

10/3はお休みです。

 

ギャラリー英蔵

岐阜市若宮町6-12 加納ビル3F

 

英蔵さんでは、しばらくぶりで今回は前回お世話になった時の場所より移転されていらっしゃるそうで、私も初めての空間に今からワクワクしております。

 

実は、岐阜県と鹿児島県は、姉妹県です。

江戸幕府より薩摩藩に命ぜられた宝暦治水事業、薩摩藩の義士たちが多くの命を亡くした歴史は、涙無くしては語れません。

リーダーであった平田鞆負は、薩摩人としては胸に刺さる英雄です。

 

そんなわけで、来週は準備を整えて発送予定です!

 

良きご縁賜りますように。

そして、今度は台風来ないでね。泣笑。

 

 

 

 

 

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