2022.06.01
治癒力
本日より6月がスタート。
先月は、いつもの5月と心持ちが明らかに違っていて、自分でも戸惑うほどだった。
5月は誰にとってもそんな月だよね。
友人達にも言われたものの、内心その種のものとは違うということも本人がよく分かっていて、心というものは他人にうまく言葉に表現出来るものではない、まして理解してもらおうなんて皆無に等しい。
改めてそう感じた月でもあった。
いつものように制作を終えて帰宅したあと、このまま1日を終わらせるには少し勿体ないお天気に、プランを考えてみた。
ロードバイクで海浜公園に行き、持参したコーヒーを飲んで帰りがけ本屋に寄るかな。
ちょっと違う。
しばらくぶりに行きつけのインテリアショップに行ってみるかな。
今日じゃないな。
5月はいつも何をしていたのだろう…
そうだ!切花の大人買いをしに行こう!
ここに越してきて馴染みの花屋が遠くなったので、ベランダのハーブやグリーンを楽しむというスタイルに切り替えたのこともあり、切花を買うことがめっきり減った。
身軽な装いで自宅から少し近いオーガニックスーパーの中にある花屋まで散歩を兼ねて出向いた。
選んだのは自分には珍しくピンク系統の花ばかり。
ベランダのミモザやティーツリーも足して、何パターンも花器に活けた。
ダイニングテーブル、キッチンカウンター、パウダールーム、寝室、玄関、廊下の小窓、リビングの花掛け、シェルフ。
小さな花器のおかげでたくさん活けられた。
1時間くらい経っただろうか、気がついたら夕どきの空の色がベランダの植物を染めていた。
茎の処分をして片付けが終わり、切花たちを眺めていたら明らかに気持ちが変化していた。
大丈夫だ。いつもの自分に戻れる。
理由はないが確信できた。
翌日から、一部屋ずつ整理整頓を始めた。
もう要らないもの、大切にし過ぎて使う頻度を減らしていたもの。
整理しているものはモノだが、実は思考の整理をしている。
必要な思考、もう手放しても良い思考、今こそ発揮しなければならない思考。
そうそう。私は毎年、5月になるとこれを無性にやりたくなっていたんだ。
やり終わるとエネルギーが湧いてきていた。
そうやって夏を乗り切って、気配を感じながら秋へと準備していた。
切花店を何店舗も展開されているオーナーさんが以前話してくださった。
バブルの頃は業界始まって以来のものすごい花の売れ行きでした。
今はひどく売れ行きが落ちた。経済変化以上に合わない落ち込みぶりです。
その理由は何だろうとリサーチし続けた結果、花はすぐ枯れるから。
水替えが面倒だという理由がほとんどだったらしい。
それから生産者たちと一緒になって花を長持ちさせるための努力を惜しまず続けています。
と。
そうか、だから若者たちの間でドライフラワーが流行っていたのか。と合点がいった。
生きているから手入れを怠ると枯れるのは当たり前。
でも、生きているからこそエネルギーを貰えるのだと、今回強く感じました。
自分にも、自分の心にも手入れを怠らないこと。
それが、健全な精神をキープする一番の治療なのかもしれない。