2022.04.11
心の目が合う瞬間
先週は心地よい青空が広がる日が多かった。
週末、友人でもある抽象画家 NAKA SHINICHI氏の個展に行った。
今回は、ギャラリー併設のカフェのタグスタでの個展。
新作のwhitelines:2022 シリーズ。
画家と出会ったのは、私がこの仕事を始めた頃。
かれこれ20年くらい前だろうか。
友人の誘いで初めて個展に行った後、とても惹かれるものがありほかの作品も知りたくて改めて帰宅後画家のホームページを観た。
やはり、いいな。いつか必ず!
こっそり決意して、それからほぼ毎回個展には、足を運んだ。
作品との出会いを求めてどのくらい経った頃だっただろうか。
10年はゆうに過ぎた数年前のこと。
佐賀での私自身の個展があり、最終日を終えた夕刻、ちょうど同じ佐賀市の別なギャラリーで個展中だった画家の個展会場にぎりぎり駆け込んだ。
あ!
まさに作品と目が合った。
それまでずっと黒基調の寒色ばかりに目がいっていたのだが、心に飛び込んできたのは、少し大きめのスクエアシリーズの赤の作品だった。
一度視線を外し、会場全部の作品をぐるっと眺めてみた。
一点だけだ。
唯一赤を使った作品。
過去にもなかった色。
大きさも理想的だった。
そうだ。これだな。
探していたのは、実は赤だったよ。
意志、勇気、決意、覚悟、怒り、愛情、嫉妬、競争、生命、慈愛、冷静
人が持ち合わせているあらゆる心のうちを内包して違和感のない色。
ドットの中にいろんな線と形が浮かび上がってくる。
自宅での居場所もすぐにイメージできた。
待っていてよかった。
そう思った。
後で画家に聞いたのだが、赤は過去にも何度もチャレンジしたがようやく作品になった。と。
その後も個展にはほぼ毎回足を運んでいるのだが、心に留まるものがありコレクションしたくなる気持ちをコントロールしながらの帰路なのです。
アートとの出会いは、そんなふうに時間をかけてよいのではないかと思う。
展示は5月5日まで、タグスタ店内ギャラリースペースにて。
作品と心の目が合う。
そんな瞬間が、人生にあることはとっても素敵だと思うのです。