2019.07.26
バカンス特集 その2
ミュンヘンへと到着したのは、夜9時過ぎ。
ようやく暗くなってくる時間帯。
夏のヨーロッパは、得した気分になる。なんとも1日が長いのだ。
ミュンヘン中央駅は、一気に大都会の雑踏。
とはいえ駅構内はかなりの広さなので、沢山の人々が大きな身体でキャリーバッグをぞろぞろと引いていても、さほど混雑しているように見えない。
行き交う人々の言葉が、バラエティに富んでいる。
さあ、ミュンヘンではどんなわくわくが待ってるか。
到着した翌日は、日曜日。
日曜日は、美術館以外はほとんど閉まる。
美術館な気分ではないこともあり、ふと思い立ちお隣国のオーストリア、ザルツブルクに日帰りすることにした。
早起きしてなるべく早い列車のチケットを購入。
あまりの安さに何度も往復なのか、間違いないか訪ねたほど。
片道2時間の高速列車が1人往復17ユーロ。
2000円ちょっと。
あり得ない。
バスの値段だよ。
日本、新幹線、高すぎっ!!
ドイツから国境越えのオーストリア、ザルツブルクへ。
モーツァルトの故郷、カラヤンの故郷、ザルツブルク。
石畳の小さな街はとても、ロマンティックな雰囲気に溢れていました。
同じオーストリアとはいえ、2年前に訪れたウィーンとは全く違う街並みである。
何しろ両サイドに並ぶお店のサインの楽しいこと。
夢中になって写真を撮っていたら、ちょっとした資料提供できそうなほどになってしまっていた。
ヨーロッパに行くといつも思うのだが、都市計画の中で街の統一感なるものが揺るぎないものであり、代々引き継がれて守られていることである。
政権が変わろうと、老朽が進もうと、脈々と流れゆく時間を握りしめながら、街を大切にしているのだ。
古くからそこにあるものは、異国の人間にしてみれば最大の魅力なのである。新しいものが魅力なのは、ほんの一瞬であるということに何故気付かないのかと、日本の街をふと思い出して寂しい思いが広がった。
お昼は、初めて食すインドのほっそーいインド米のカレーとアペロール。
しっかりお昼をとった後、ザルツブルク南に位置するホーエンザルツブルク城に登ってみることにした。
城の上にはフニクラ、いわゆるケーブルカーでも登れたのだが、ここはビギナーとはいえトレッカーのはしくれとして、歩いて登ることにした。
城の上にはパノラマカフェがあり、あまりの眺望に吸い込まれるようにして着席した。
ここは、ドイツからオーストリアにまたがるベルヒテスガーデンアルプス。
その一部であるウンターベルク大山塊をぐるりと見渡すようにカフェ席が用意されている。
山側の席は、ずらりと先客あり。
それでもなんとも心地よいカフェタイムだったこと。
スロベニアもそうだったが、とにかく湿度がなく最高に心地よい気温なのです。
ああああ、気持ちいいなあ。
なんどつぶやいたことだろう。
そうやってミュンヘンへと再びもどり、翌日は大都会ミュンヘンをぷらぷらと歩き回った。
旅はよいなあ。
いろんな親切にも出会う。
いろんなモノや景色、味覚にも出会う。
そしていろんな自分にも出会う。
出会いの数、経験の数がクリエイションにつながることを信じている。
クリエイションという作業を行う場所はさほど関係なく、詰め込んだ出会いのシーンや思考が折り重なってある瞬間にすぽっと生まれてくるのではないかと思う。
突然ある場所に泉が湧き出すように。
屋号にしたfonteskeyは、ラテン語のfontis 泉、創造という語源からの造語である。
この旅が、いつしか制作活動に自分にとって、より良いイマジネーションをもたらされることを期待しながら、帰国してきたのであった。
7月もあと1週間となった。
また、コツコツと制作活動に励みたいと思う。