2019.04.13
私が住む世界
あ!れ!
ブログアップずいぶん遅くなってしまっていたのですね。
ごめんなさい。
2ヶ月ほど前からほんとにほんとに慌しくて、ここのところ読書の時間もかなり少ない。
このせわしいリズムはどうやら上半期いっぱい続きそうだ。
でも、私は働く事は苦にならない性分。
寧ろ働かない日が続くと不安になってしまう。
だから忙しさに感謝だ。
そんな状況下、隙間な時間を捻出、スケジューリングしながらトレッキングはコンスタントにやっている。
これが巷で話題の働き方改革。
私流ってところだ。
先日は、脊振方面へとトレッキング。
幾つもあるルートの中でも福岡市内の登山口からスタート。
いろんな顔を見せてくれる登山道で一番気に入ったこの大高木群。
まるで異国の空を見上げているようだった。
それもその筈。
この木は元々アメリカの西に多く生息するメタセコイヤという高木種であるという。
世界で最も巨樹と言われている木は、アメリカのセコイヤ国立公園にあるジャイアントセコイヤの木らしい。
樹齢2000年から2800年で、高さが83メートルというから、ここのところ福岡にもラッシュ建設のタワマンより高いのでは。
現地では、ジェネラルシャーマンという名がついているのだとか。
よく名付けたものだ。
和名では、世界爺と訳されているのだとか。
これまたよく訳されたものだ。
こんな種類の木が福岡の地で見れるなんて30年住んでいるというのに、全く知らなかった。
トレッキングを始めてよかったとしみじみ思う。
ひとつドアを開けるとそこには今まで全く知らなかった住人たちがたっくさん住み、その世界たるや4次元的桁違いな広がりで、その広がりに心底驚き、興奮している。
今まで私は、なんて狭い世界で生きていたのだろう。
なんて狭い世界でものを見ていたのだろう。
思えば私はこんな経験がこの10年間で2度目だ。
もっと早く知りたかったと思いつつも、それ以上に間に合ってよかった!
そんな思いだ。
山で見かけた気になる植物が春山にはたくさんあり、写真に収めて帰宅後名前を調べることにした。
アプリを入れれば一発で分かったであろうが、時間をかけて地味に調べる事にした。
全く検討がつかない花の名を調べるのは、なかなかに時間がかかった。
それでも調べている途中、他の山で撮影していた花の名前が偶然に次々と分かり、ひとり嬉々とした。
調べるという行為の中で、目につく求めていない情報が知識を肥やしてゆく。
誰かが辞書のメリットを説いていた。
理解できる気がする。
ただ肝心の知りたい花の名前が分からない。
似て非なるものの多いこと多いこと。
今日は諦めてまた明日調べるか。
と、思った矢先、発見!
こ、これだ!!!!
ツクシショウジョウバカマ。
ショウジョウバカマは、北海道から九州、台湾まで生息する花でどこのものも淡い紫色の花をつけるらしい。
しかし、九州のものは白い花であるというところから、ショウジョウバカマの前にツクシという地名に因んだ名前がついているという。
やや暗めの斜めの土地に咲き、花はとても美しいのだが花が終わるとどんどん背が高くなり、しまいにはまるで別な植物に変貌してしまう珍しい植物だという。
なんだか、謎めいていてゾクッとした。
植物に詳しいわけではないが、気になって撮影したものがちょっと興味深い種類であったことが分かると、他の植物も気になり始める。
なるほど。
こうやって、この世界の住人たちは植物や鳥、木、虫、地質、歴史、民話、風土記、知識を増やしながら愉しんでいるわけなのか。
世界は広い。
自分がどこに立つかで、どんどん世界は広がる。
ひとつのドアを開けることで、私の住む世界の景色は変えられる。
ドアの奥には、更に新しいドアを見つけることができる。
ひとつのドアを開けることは、無数のドアの存在を知ることである。
ドアは常に目の前にある。
そんな気がしている。