2019.01.13
水中下
昨年秋から始めたトレッキング。
毎回訪れた先々で、色んなものが少しずつ五感に蓄積されてゆく。
水が完全に干上がってしまっている状態の池の跡を見つけた。
つい先日まで最後の水が残っていた、そんな名残がことさら憂いを帯びて見え、迷わずモノクロームで撮影した。
池の淵の方には、これまで水中を住処としていた数々の倒木の姿が露わになっていた。
緑を携えた地上で生きる木々よりも、白骨化した木々にえもいわれぬ生々しさを感じ、思わずゾクッとする。
極限ミニマリズムを見るような密やかさに、自ずと呼吸が薄くなりシャッターを押す指先は、選ぶような静かな動きとなった。
水面下にあるもの。
地中にあるもの。
自分の深淵にあるもの。
時に、意識を届けてみることも必要かもしれない。