2015.10.21
黄金色の朝
朝陽がカーテンの隙間から動きながら壁に光の絵を描く。
ベッドから起き上がると窓を開け、少し冷たい空気を部屋に誘う。
今日もいい天気だ。
今朝の音を選び、朝食の支度をしながら今日の予定と一日の始まりをゆっくりと感じる。
寝室のラグに黄金色の朝陽が射すと、このラグと出会った時のことを思い出した。別府の宿から偶然目ざめカーテンをあけると、まさに朝陽が生まれたばかりの空と海だった。朝焼けが描く海面の光の絵。心静かにして高揚するアンバランスな感情でありながら音のない美しさに陶酔したことをリアルに思い起こした。
このラグは連れて帰らなきゃ。
そうやって手に入れた遠くイランの街の女性が織った手織りのラグ。今朝の黄金色の太陽は、あの朝に見た別府での朝焼けの海と空、そしてこのラグと出会い再びあの時の心情を呼び戻してくれたときのことを感じた。
黄金色の朝、しばらく朝陽がもたらす光に包まれ幸福感を胸いっぱいに感じた。
さあ、今日もがんばろう。
そうやって、私に私が話しかけた。
朝の隙間に入り込む、ゆったりとした時間。
秋は、隙間な時間があちこちに潜んでいるように思えてならない。