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2018.08.12

 

 

 

ここのところ、リング作りがヒートアップしている。

アトリエに訪ねてこられる方々のオーダーも、リングが圧倒的に多い。

オーダーをひとつひとつと地道にこなしていたら、あっという間に1週間、1週間と過ぎ去ってゆき、早、8月も2週目。

昨日から近辺、街が静かだ。

きのう、今日と新作リング作りに静かに没頭しております。

 

 

 

 

まだ、仕上がらないので、そちらのアップは次回するとしまして、本日はヴィンテージスパンコールを石に見立てて作った色を愉しむリングです。

 

服飾の世界では、ビーズやスパンコールをドレスに縫い付けて色のグラデーションを楽しんだ時代がありました。

縫い付けると重さがずっしりとかかるので、当時はいろんな工夫がされていたのを、服飾博物館で拝見したことがあった。

 

現代のスパンコールにはない趣のあるものが多いので、なんとか使えないものかと生まれたのがこのリングです。

ヨーロッパのアンティークのものなどを買い集めているバイヤーさんから仕入れたスパンコール。

 

現代では作られていない色。

翡翠のような色が魅力的なマットなグリーン。

少しオーロラが入った元気の出るオレンジ。

 

銀との相性もなかなか良くて、手元が明るくなります。

 

時を経たものはやはり魅力的です。

 

 

 

 

 

 

2018.08.04

 

 

 

弓張月。

 

ベランダに出て、夜空を見上げるのも憚れるほどの熱帯夜が続いている。

 

 

 

 

 

どのくらい前から夏の平均気温が30度を越すようになったのだろう。

外出先でも、お店によってかなり温度差がある。

お店を何軒かはしごしていると、めまいがしそうになる。

体が持ち合わせているはずの体温調整は、かなり狂い気味。

 

あと20年もしたら、生まれてる子供たちの体温調整は我々の標準機能を優越したものになっているのかもしれない。

 

夜空に月がふたつ。

夜空が赤い。

月と太陽が同時に空にある。

 

そんな未来があるかもしれない。

 

明日の夜あたり、まさしく弓張月が見れるかも。

 

本日は久しぶりに作った、月の横顔、弓張月のリングのご紹介でした。

 

 

 

 

2018.07.24

 

 

 

少し前にご紹介しました夕霧草のシリーズものです。

 

 

 

 

 

テッセン。

お洋服を引っ掛けてはならないと、ずいぶんシルエットはデフォルメしたところ、別な花のイメージに近づいてしまったような。

 

どちらかというと、百合?

 

ちなみに夕霧草と並べてみますと。

 

 

自然界にある万物たちは其々に美しい。

テッセンも夕霧草も大好き。

 

でも、一番好きな花は実はスミレ。

シルエットもステキだ。

 

よく考えてみればどちらも紫色だ。

そして、改めて考えてみると我が家のインテリアのベース色は、これらの花と同じ紫色と深い深い茜色がメインになっている。

 

幼い頃から不思議とピンクや黄色を好まなかった。

成人式の着物を選ぶにあたって、どれが好きかと母親に尋ねられ、選んだものは裾から腰に向かって濃い紫がだんだんと薄く立ち昇ったようなものだった。

 

私の選んだ着物を見た母親がひとこと。

 

そんな地味な色はダメよ。

おまけにそれは留袖じゃないの。

 

 

振袖には、好きな色がひとつもなく決めるのにとても時間がかかった記憶がある。

 

しかし、今思えば装いに関してはその年齢でしか味わえない色があるのではないかと思える。

 

 

 

 

2018.07.18

 

 

体温とほぼ変わらない気温の日が続いております。

 

暑中お見舞い申し上げます。

 

日本の四季はそれぞれに、誇るべき美を携えていたはずですが、これではまるで亜熱帯地方のようです。

夏の風物詩のひとつ、花火をモチーフにした軽めのチョーカーです。

 

 

 

 

 

 

 

花火に浴衣。

線香の香り。

風鈴。

スイカ。

 

7月に突入したかと思いきや、あと10日ほど。

秋からの個展に向けて、汗びっしょりで制作中です!

 

本日は、花火チョーカーのご紹介でした。

 

 

 

 

 

2018.07.09

 

 

 

逆説代名詞として使われるコペルニクス的転回。

 

このリングは駆け出しの頃に作ったものだが、恐れ多くもコペルニクスというタイトルである。

 

 

 

 

 

 

しばらくぶりに作ってみた。

 

この垂れ下がったバーは、邪魔にならないのか。

個展の折にはよく尋ねられたものだ。

上下には180度動くが、左右には控えめな振り子程度の動きなので思う程邪魔ではないと説明しご試着を勧める。

試着された方は、決まって手を上に上げたり下げたり左右に振ったり、ちょっと歩き回ったりして、にわかに笑顔になりながら、バーの先端の地球(のつもり)の玉が動くのを面白そうに眺めて遊ぶ。

 

どんなものでもそうだが、試す事で意外な気付きがある。

それは、良いことばかりではない。

良かれと思って心を配ったつもりが、返って仇になったり、予測していなかった所が、気になったり。

リングに関しての試着はしつこい程に行っている。

手は身体の中でもとても役割が多いからであり、何よりも人の手がとても好きだから。

 

無意識でこんこんと走るようにして一気に作り上げたものは、不思議なものでうまくまとまっている。

2度目に作る時に、理屈が分かることがある。

自分自身が過去にやったことだというのに、ああ、そうか。

そう思うことがある。

 

何かを形にするには、一万回やればどんな人でもどんなものでも形になるという。

 

右も左もわからない駆け出しの頃、様々な個性と志を持った作家さんたちや作品たちと出会うたびに迷っていた。

自分らしさを一体どう反映させていけば良いのだろうか。

出会えば出会うほどに揺れていた。

 

突如、自分に課した。

迷っていてもしょうがない。

とりあえず千個のアクセサリーを作った頃には、きっと何かが見えてくるだろう。

そして、 文字どうり百戦錬磨、百回の作品展をめざそう。

 

 

カウントこそはしなかったが、そう決めてからはとにかく作った。

朝から明け方まで。

作った翌日には気に入らなかったり、不具合に気付いたりして、壊してまた別なものを作ることもよくやった。

 

ある時、雑誌の取材でライターさんに尋ねられた。

今まで幾つくらい作られましたか。

 

ああ、そうだ。

私は、千個のアクセサリーを目標にしたのだった。

 

 

千個は超えていた。

百回の作品展も超えていた。

 

いろんな道の経営者達は必ず語る。

余計なことを頭で考えずに、とにかく続けることだ。

それ以外に道はない。

 

身につけることで心躍るようなアクセサリーを、素敵な女性たちにもっと出会うために。

駆け出しの頃に作ったものに再び向き合うことで、初心の思いをアップグレードの時間として充てることができた。

 

もっと素敵になってもよい女性たちといろんな時間が共有できますように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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