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2022.07.24 / /

 

 

 

 

 

傘寿を迎えた母親のために作ったセットアップ。

 

薩摩ボタン絵付け師の室田志保氏による紅葉の薩摩ボタン。

故郷薩摩にゆかりのあるものがメモリアルになるだろうと、昨年に依頼しておりました紅葉の絵付けが仕上がってきましたのが春前。

 

 

母親はちょうど今の私くらいの年齢の折に思いがけない大病を患い、その後なかなか体重が戻らずそのまま年齢を重ねてしまいましたが、人一倍健康にも気を遣い、運動や食事、すっかり元気になり先週迎えた傘寿。

 

昨年のこと。

傘寿の祝いに薩摩ボタンのアクセサリーを作ってあげようかと思うけど、リクエストある?

あらかじめ尋ねたところ、サプライズな私の意見に迷いながらもネックレスを希望した母親に

了解、ではネックレスとピアスをセットアップで作るね。

と、提案した私に母親は一瞬間があり、

そんな、ネックレスだけでいいわよ。

薩摩ボタンは色があるから、ネックレスだけではコーディネート難しくなるよ。セットアップで持っていた方が良いよ。

でも、あなた大丈夫?お金使わせて申し訳ないわ。

 

母親が大病を患った年齢をとうに超えてしまった年齢になった私に、自分のためにお金を使わせることの心配をしているのだ。

幾つになっても親にしてみれば子は子のままなのだろう。

 

大丈夫よ。

いずれお嫁さんや姪っ子と譲れるものなのだから、お母さんが使えなくなったら残ったみんなで使うんだから、それまでお母さんがいっぱい使えばいいじゃない。

そう?そうね、悪いわねえ。

遠慮がちな言葉の先には、言葉とは裏腹にウキウキした様子が伺えた。

あんまり高い材料使わないでね。

心配しないで、それよりちゃんと元気に傘寿迎えないと貰えないよ!

分かった!7月ね!

 

今週、仕事を兼ねて帰省するので手渡しする予定である。

 

贈り物は、贈る側も幸せな気持ちになるもの。

でも、傘寿を超えた母親も私自身も、口には出さないが本当は贈り物なんかよりも一緒に過ごせる時間の方が何にも増して代え難い貴重な贈り物なのだと、十分過ぎるほど分かっているのだ。

贈り物は、ただの品物。

でも、手を動かして作ったその時間にはきちんと気持ちを込めたので、少しは母親への感謝の思いが伝わるとよいのだが。

 

自分の周りにいてくれる沢山の大切なひとたちと一緒に過ごせる幸福は、あと何回あるのだろうか。

ふと、そんなことを思うのであった。

 

 

 

 

 

 

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