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2019.06.13

アートが満たす幸福感

 

 

 

画家の友人に誘われて、禅寺で催されているお寺ミュージアムという展覧会を訪れた。

 

急な誘いではあったが、告知サイトを拝見したところ興味深さが湧き、早めに仕事を切り上げて同行させてもらう事にした。

 

 

 

 

 

 

この季節は街を歩くのもなかなかに気持ち良い。

百貨店周辺の異国感溢れる人々の雑踏を抜け、中洲の昼間の姿やオフィス街の終業近い顔を眺めながら、お寺の集中している御供所町エリアに向かう。

 

友人と明るい雑談や笑える近況、お互いの仕事のコアな話などゆらゆらと語りながら歩く。

ときおり吹く水無月独特の冷たさを含んだ風が、殊のほか心地よくバスを使わずに正解だったね、そんなことを話しているうちに到着した。

私は、展覧会会場や美術館に向かうアプローチ、あの独特の間がとても好きだ。

 

角を曲がると石畳の周りの箒の掃き目と手入れの行き届いた新緑が、清々しい風を心に届けてくれた。

 

ガラリ戸を引くと、上品なお香がふわっとたちあがった。

 

あ!きっと、素敵な展示がなされている。

とてもいい気が流れていた。

油絵、墨象、流木人形、イラスト、染め。

 

グループ展なのに一貫性と空間とのマッチングがしっかりなされていてとても心地よい展示だった。

出展者の方々も皆さん、素敵な方々だった。

それぞれの作品が持ち合わせている落ち着きのある確かさのようなもの。

それが、会場の空間に反映しているのではないかと感じた。

キャリア。

やはり数多の経験という礎の上に生み出されたものは、作品の中に立つとじんわりと伝わるものなのかもしれない。

 

先程ふらりと入って来られた異国のお客様がかなり作品を気に入られて、ご購入の運びとなったらしいのだが、実はかなりフライト時間が迫っていたことがわかり、慌てて厳重梱包をしてお渡ししたとお話しされていた。

 

旅先で出会うアートは、旅を何倍にも印象付けてくれ、幸福度が増すものだ。

私も過去に、プラハやバルセロナ、チェンマイとあちこちの旅先で出逢った絵や彫刻、抱きかかえるようにして飛行機に乗った経験が幾度もある。

金銭以上の満足がある。

 

異国の旅人もおそらく今頃は、梱包をとき幸福感を味わっていることだろう。

 

 

 

 

展示スペースに入りひと目で私の心を捉えた墨象アートがあった。

 

見た瞬間、飾る場所も決まった。

黒いフレームサイズの違う4枚の写真とヌードデッサンを飾っている壁面にレイアウトを少し変えて飾ろう。

墨象、デッサン、モノクロの写真。

きっと混ぜて飾っても違和感がないはずだ。

 

梱包をとくのが待ち遠しい思いで、帰りはバスを使って帰宅した。

 

金銭以上の満足と幸福感。

それが、アートという存在であると思う。

素敵な出逢いは、思いがけないタイミングでやってくる。

その瞬に、金銭価値を消し心で感じる価値をキャッチし決断する。

 

そうやって少しずつ増えてゆく小さなアートたちは、我が家で共にいろんな時間を生きてゆく。

 

自分にとっての価値を持つこと。

これは、生きてゆく上でとても大切なことのように思う。

 

今朝ベッドで目がさめると新しく仲間入りした「雫」というタイトルの墨象が目に入った。

 

計算はしていなかったのだが、ベッドで横になって見た時のこの墨象画に思いがけず新しい美しさを発見した。

少しひんやりとした水無月の早朝、ベッドの中で墨象を見つめながら再び幸福感が増した。

 

 

 

追記。

画像は全て展覧会会場のものです。

我が家ではありません…

話題にしました我が家に仲間入りした墨象アート。

きちんと撮影しましたら、改めてご紹介したいと思います。

 

 

 

 

2019.06.06

鹿児島展の様子!!

 

 

 

ただいまです!

一昨日をもちまして無事に鹿児島個展が終わりました。

 

実は、鹿児島は郷里ということもあり、個展期間の5日間終日滞在する他の個展とは違うスタイルとなっております。

 

 

 

 

今回は、鹿児島の宝と言われているシャンソン歌手のかとうかずこ様の、海外での舞台やこれまでの活動における貴重な体験話と愛溢れる唄と、私のアクセサリーにまつわるトークショウが一緒になったイベントが初日の夜に行われました。

画像は司会の方とのやりとりの様子です。

 

大勢の前で話すのが苦手なのですが、お集まりいただいた30名ほどの皆さん本当に有難うございました。

 

 

 

 

そして、個展会場にお運びいただいた皆様、こころより感謝申し上げます。

 

連日、沢山の出会いや再会があり、こんな楽しい仕事をさせて貰える事につくづく感謝の思いをかみしめました。

そして、自分の作ったものを楽しそうに身につける皆様の姿や、過去に購入された作品や今回購入された作品への皆様それぞれの思い入れ、さまざまなエピソードを聞かせて頂くたびに、涙が出るほど嬉しくてたまらずこみ上げるものがあったりしました。

 

鹿児島個展は、ギャラリー会場ではなく特殊なスタイルをとらせてもらってるのですが、15年前にスタートし今回で9回目でしたでしょうか。

多くの方々に支えてもらい、応援していただきの今です。

ひとりで何かを続けることは、不可能。

 

続けられてきた事にも数え切れないほどの協力があり、見えない多くの力が働いていると、トークショウで話しながら改めて確認することができました。

 

期間の初めに梅雨入りした鹿児島でしたが、今回は個展に向かう前に中学高校時代を過ごした北薩の方にも立ち寄り、思い出深い鹿児島個展の旅となりました!

 

さあ、ここ福岡も湿度が高くなっておりますが、しばしまた頂いたご注文の制作に励みます!

 

全てに感謝。

合掌。

 

 

 

 

 

 

2019.05.27

鹿児島個展のお知らせはふたつ戻ってね!!

 

 

 

自分の足で立ち、歩くこと。

味わった感覚を体中に染み込ませること。

触れた感触を心で感じること。

 

 

 

 

日々の生活の中で何度となく巡ってくるこの体験は、全く同じものはないというのにどこか気もそぞろになり、ないがしろになりがち。

 

全てに意味づけを求め無駄を省きたがる現代では、ただシンプルにその行為を味わうことを忘れがちだ。

正確には、どこか損をしているいうような気分になり、更に何かを盛り込むことでしか充実感を得られなくなっているほどの気忙しさだ。

 

リラックスするべき入浴時も美味しい食事の前でも、ともすれば睡眠前のベッドの中で目を閉じてさえも、頭の中は閉じることはなくせわしく別なことに意識がとらわれていることにふと気付く。

 

頭の中の幾つもの扉を開けっ放しで日常を過ごすことを 、少しの瞬間でもよいから手放さなければ。

そう改めて感じることを体験した。

 

先日、沢沿いを歩きながら流れる水の音が耳に心地よく、水の在り処まで近づいてみた。

水があまりにも綺麗で、触ってみたくなった。

ひんやりして気持ちよかった。

掬って口に含んでみた。

顔を洗いたくなった。

靴を脱ぎ、足を浸してみたくなった。

 

水はびっくりするほど冷たくて、身体中をのろのろと進んでいた血が一気に快活に流れ出し、まるで血そのものが入れ替わったような気分になった。

 

なんて、気持ちいいんだろう。

頭の中まですっきりした。

うぅうー、きもっちいい!!!

早く、早く、やってみて!

友人に半ば強制するかのように、思わず声を張り上げていた

 

慌てて靴を脱ぎ始めた友人の顔は、期待でほころんでいた。

そこら中にきゃあきゃあと黄色い声が鳴り響く。

 

気温は30度近い。

 

それから車に乗り込んでも1時間近くは、体中がシャキッと気持ちよくそのくせ、頭の中はめったにないほどリラックスしていた。

行き交う車は全てエアコンをかけているのか、窓はきっちり閉まっていた。

身体中に行き届いた冷たい沢の水を味わっていたくて、車の窓を全開にした。

犬がよくするように車の窓から顔だけを出し、目を細めながら顔を撫でる風をいつまでも感じていたいそんな気分になった。

 

こんな体験をした日は、即物的なものへの価値が落ち、これ以上の贅沢はないと思えるほどの満たされた気持ちになる。

 

ただ、沢の中の水に触れただけなのに。

 

シンプルな行為に満足感や充実感を得られなくなったら、人はどうなるのだろう。

 

犬のポーズで茜色の空を見ながら、ぼんやりと考えた。

 

 

 

 

 

2019.05.18

鹿児島個展のお知らせはひとつ戻ってね!

 

 

 

 

この頃しばしば話題にする山譚。

他人に登山と言ってよいのかどうか躊躇する、まだまだトレッキングな域であるのだが、初めての山はどんな出会いがあるのかという楽しみと同時に無事に登山道を辿り下山することへの緊張感がある。

山道には曲がり角にコンビニがあるわけでもなく、横断歩道や標識があるわけでもない、交番もなければ道を尋たい人と都合よくすれ違う保証もない。

季節が変わると目印になるほど繁っていた木も、ガラリと様子を変えてしまい方角が不確かになる。

雲がたちこめてくると前方の視界も悪くなる。

雪山などは、想像しただけで恐怖だ。

 

当たり前じゃない。だから遭難事故が起こるのでしょ。

そう思うかもしれない。

 

頭で理解できていても、実際その場に身を置くと全身でその事を感じ、改めてぞっとする時がある。

 

 

 

 

遭難は、山の高さや経験値に関係ないと経験豊富な方が語る。

私はまだ低山ばかり選ぶようにして登っているのだが、地図が読めるようになりたいと思い始めた。

読図というらしい。

登山学校のクラスに参加するつもりだったが、タイミングが合わず今回は見送り、とりあえず一番わかりやすそうな本を手に入れてみた。

 

現代は山に特化した地図アプリを何社も出している。

山でスマホを出してみる事に最初は抵抗があったが、使ってみると山先輩達の助言通りなるほど確かに便利で優秀だ。

この頃では、地図や方位や高度、気圧、気温、脈拍、全てをスマホではなく腕時計で管理。

スマートウォッチへと進化推移している模様。

 

これらを使うことで安全確保にも繋がる仕組みとなっている。

真っ向からアンチテーゼをふかすのは、あまりスマートではないと思い始めているところだ。

しかし、これらはスマホやスマートウォッチが正しく機能することが大前提。

つまり、充電は必須。

 

万が一。

を意識すると、やはりテクノロジーに完全に頼るのはキケンだ。

というわけでまずは本にて、読図の下勉強開始した次第である。

 

早速、大型書店に出向き、過去に登った山エリアを探し、国土地理院の作った地形図なるものを、地形図専用の棚の抽出しからするりと一枚抜き取ってしげしげと眺めた。

本屋に行ってもこの棚の横を通ることはあっても、開けたことなどなかった。

 

渋い。

集めたくなる。

地図好きな私、棚の前で座り込みひとりこっそりと悦に入っていたら、小学生くらいの男の子と父親らしき男性やってきて、どこかの地形図を探し始めた。

 

パパ、あったよ!

よし、一枚取って。

さ、行くぞ。

 

親子の背中を見送りながら、今まで意識もしなかった世界の片隅に自分がいることを確認した思いだった。

読図は、慣れてくると地形図を見るだけで3Dで山の形状が読めてくるのだとか。

それは、さぞ面白いだろう。

頭の中でイメージしたものを体を動かしながら実体験とあわせてゆく登山は、それが出来るものにしか解らない愉しみとなるのだろう。

 

早くそうなりたいものだ。

と念じつつ、読図の本を開き少しずつページを読み進めるのであった。

 

 

 

 

 

2019.05.13

鹿児島個展のお知らせ!!!

 

 

 

本日は月末より始まる2年ぶりの鹿児島個展のお知らせです!

旬な表現ですと、令和初の個展です。

 

 

末野美由紀シルバーアクセサリー展

 

2019年5月31日(金)  –  6月4日(火)

AM11:00 –  PM7:00   最終日は6時まで

 

インハウス久永 with LIVING HOUSE  店内2階にて

鹿児島市東千石町16-17-2F

 

 

 

 

郷里ということもあり、鹿児島個展に限りましては私も期間の終日在店しております。

アクセサリーのコーディネートテクや、イメージに合ったものをより密にご提案できればと思っております。

 

会場となるインテリアショップインハウス久永さんは、鹿児島市内でも繁華街の中央にあり、とても歴史あるお店です。

住まいにまつわる全てをお取り扱いの素敵なお店です、ぜひ遊びにいらしてくださいませ!

 

 

毎回、鹿児島個展にはとてもエネルギッシュな女性の方々がお集まり頂きまして、とても賑やかな個展となります。

 

今回もお越しただ頂いた皆様がぜひ楽しんで頂けるよう、現在、沢山の作品を頑張って準備致しております!

 

過去お越しただ頂いた皆様には今週中に随時DMご案内届くと思います。

ご希望の方ご遠慮なくお知らせ下さいませ!!

 

 

 

 

 

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