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2020.12.30

ありがとう2020年!!!

 

 

 

 

 

仕事用のスケジュール帳を2021年のものを準備し、書類の整理、ファイルの整理、アトリエを清掃し新年を迎える飾り付けを済ませて、今朝で本年の仕事を無事に終えられました。

 

 

 

 

 

 

今年は誰にとっても心の乱れが多い一年だったと思います。

しかし、それだけにいつもそばにいてくれる方々の存在やありがたさはいつも以上に感じたことでしょう。

 

どんなにテクノロジーがすすんでも、人から得るエネルギーがなによりも莫大な力を持っているのだと信じております。

 

人の思いが込められたものや人の息が吹き込まれたもの、私自身もものを作る沢山の方々の作品に触れて、改めていろんな思いを感じられ力を貰いました。

 

この仕事を続けさせて貰えているこの環境に、この時に、感謝がいっぱいです。

 

木蓮の蕾が膨らみ始めているのを街路樹の中に見つけました。

たんぽぽやあざみ、桜、フジの花に、つつじ。

外は雪が舞っていますが、きっと春はやって来ます。

来年もいろんな街で笑顔で皆様にお会いできることを心より楽しみにしております。

 

2020年も沢山の方々に支えて頂きました。

 

これから始められる新しい年を気持ちよくお迎えくださいませ。

 

多謝。

合掌。

 

 

 

2020.12.25

クリスマスプレゼントとお歳暮

 

 

 

 

ずっと気になっていた鉄瓶。

サイズとキッチンでの置き場所や使い勝手などを考えると果たしてどうなのかと決めかねているうちに、当時住んでいたところから引越しすることになったのが今年の初秋。

今度の住まいでは、キッチンが広くなったこともあり鉄瓶デビューを決意!

 

 

 

 

 

 

 

鉄瓶生活を始めている先輩にアドバイスを受けながら、生活も落ち着いたこの頃、岩手より届きようやく鉄瓶デビューを果たしました。

 

引越し記念と自分にクリスマスプレゼントとお歳暮!というあらゆる名目付きでやっと手に入れた鉄瓶。

 

 

お酒を飲める方で鉄瓶を初めて使われた方は、きっと感じたことでしょう。

純米酒と大吟醸の違いさながらの舌触りと喉越し、ふく郁たるあのとろみ感。

つまり、その湯で淹れる煎茶、お抹茶、紅茶、コーヒー。

やはり、歴然と違う。

まあ、茶道の世界をご存知ならば、改めて語ることもないでしょうが。

 

早朝のまだ薄暗く寒いキッチンに、真っ黒の鉄瓶からふわふわと噴き出る真っ白な湯気。

そして、そのふわふわの湯気と共に鉄瓶がしゅんしゅんしゅんという鳴り出す。

この可愛らしい鳴き声が湯が沸いた合図。

なんとも風情がある。

 

手間のかかるものには、必ずや風情という金銭に換えられない価値がある。

かの松下幸之助氏は、かつて日本の女性たちが1日を費やすほど重労働だった家事から少しでも楽になり解放されて欲しいという思いで、次々と家電なるものを世に送り出したという。

 

家電量販店を今、氏が訪れたならば、きっと腰を抜かすほど驚くのではないだろうか。

今を生きている私自身が訪れても、見ても用途が分からない家電がおびただしく存在しているのですから。

それが便利か必要な機能かも言い切れない曖昧な代物があまたある。

 

人は、ある程度以上の機能のものは、実の所全く欲していないのではないかと、鉄瓶の鳴き声を聞きながら思うわけである。

 

皆様にメリークリスマス。

そして、私自身にもメリークリスマス。

 

 

 

 

 

2020.12.18

薫る花

 

 

 

 

 

若い頃は、水仙の花はあまり好きではなかった。

花を見るたびに、小学校の図書館で初めてギリシャ神話を読んだ時の本の挿絵のページがはっきりと思い出されて、いつも読み終わったあとの当時の感情もセットになって蘇っていた。

香りもつんとすました感じよね。

何やら毒を持っているというじゃないか。

の割には、地味な花だ。

なんだかあまり好きにはなれないのよね。

 

そんな思いと固定されたイメージを1ミリも崩さずに生きてきたのだが、今年、ふと微動だにしなかったはずのイメージが動くきっかけがあった。

夏に山口県の角島にサイクリングに出かけた折に、川棚温泉で汗を流した後お土産物屋を物色していたら細首の萩焼のシンプルな花瓶と目が合った。

 

この花瓶は、冬には水仙が似合いそうだな。

白い釉薬がまるで庭に積もった雪のよう、その白い土からすっと立ち上がった水仙、清潔感があってなかなかよいだろうな。

そういえば私、水仙の花ってあんまり好きじゃなかったのにどうしてだろう。

 

人は、少しずつ好みも感じ方も変化するものだとよく聞くものだが、

「絶対」という表現が年齢を重ねるごとに使いづらくなってくるという現実を実感している。

 

 

随分寒くなり、水仙の花が花屋やスーパーのお花の売り場でも出回りはじめた。

萩焼の細首のあの花瓶に、水仙を入れてみようか。

初めて水仙の花を買った。

テーブルに花用のクロスを広げ、花瓶と花鋏を置き、セロハンに包まれている花をほといた。

水仙が薫る。

つんとした香りがする。

これまでそう思っていたのだが、不思議なことに冷たい空気に混じった水仙の香りは、意外にもとても清らかで衛生的な気がした。

その瞬間、置き場所が決まった。

 

パウダールームと玄関からリビングにつながる廊下の2箇所に飾ることにした。

 

廊下には、以前、大きなイベントでもご一緒した漆作家の林源太さんの作品、六角形の鉄のような色をした漆のしゅっとした掛け花に入れると、照明が生む影も楽しめてなかなかによかった。

 

 

 

 

 

 

細首の萩焼の花瓶は、パウダールームに。

早朝、まだぼんやりしたままパウダールームに入ると、ふんわりと冷たい空気に混じって水仙の香りがする。

この場所で正解だったかもしれない。

 

 

 

 

リビングによく花を飾るのだが、食事をする場所には、不向きな気がした。

 

地味だと感じていたものに魅力を感じるようになったり、面白みがないように思っていたものに、普遍的な美を見出したり、人は見えるものが少しずつ変化してゆき、ある時から人生そのものに滋味深さを感じるようになり、全ての事物、関わる人々に改めて情が湧くようになるのかも知れない。

 

ということは、今後益々、絶対変わらないと言い切れるものは、ほとんどなくなってしまうのではないだろうか。

 

それは、未来への冒険心にきらめくようでいて、変化の不確かさに少しばかり心細さが混じった不思議な気持ちである。

 

変化している時間軸にいる自分、それも全て同じ自分なんだよな。

薫る花の側で洗顔しながら、そう思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2020.12.13

大阪個展の様子!!

 

 

一昨日、大阪より戻りました、ただいま開催中の大阪個展の様子です!

今回も快晴、そして気温も小春日和といった暖かさに包まれて初日スタートしました。

 

 

 

 

 

 

 

今回は密を避けて分散展示ということで作品数も多めに準備して、いつもの一階に加えて二階の和室にも展示致しました。

 

 

 

 

毎日のようにニュースや話題に出ております大阪ですが、初日より皆様お元気にお会いできてとっても嬉しかったです。

改めましてお時間をとって遠くよりお越しいただいた皆様、師走というお忙しい中お越し頂いたことにも深く感謝申し上げます。

 

 

 

 

 

 

 

会期は16日まで。

素敵な茶花が空間のあちこちにさりげなく入れられていて、オーナーさんのおもてなしの心が伺われ、しばし世間のもやもやから離れ楽しい時間を過ごすことができました。

 

お時間ございましたらぜひお運びくださいませ。

 

 

 

 

 

2020.12.06

大阪個展の案内はひとつ戻ってね!

 

 

 

 

 

数年前に念願だったロッキングチェアを手に入れた。

 

初めて見かけた時、即気に入った。

問題はサイズだった。

 

 

 

 

 

 

接客してくださった方が話してくださったのだが、

実は、この椅子、僕も持っているんですよ。

いいですよ。頭を預けられてなおかつ揺れるというのが癒されます。

ロッキングチェアと言ったら、以前は敬老の日の贈り物としてよく売れていたんですよ。

このロッキングチェアは、我がメーカーでもかなりのロングセラーの椅子のひとつです。

 

 

なるほど、椅子自体も長老なのか。

そんなことを思いながら、実際に腰掛けて背中ごと委ねゆらゆらと椅子を揺らしながらお店の方の話に相槌をうっていた。

 

そして、頭の中では会議が始まっていた。

ところでここはショウルームだし天井も高い、実際我が家に置くと揺らすほどのスペース確保できるのか?

大きすぎないか?

いや、座面も既に持っている椅子の高さとも同じくらいだから案外バランスは取れるか。

背もたれも格子になっているから見た目も抜け感があり割に圧迫感はないかもしれない。木の色目も既にある椅子や家具とも馴染む。

やっぱり、この揺れ心地はたまらないなあ。

そうやって寸法を入念に教えて貰い、その日は帰宅した。

 

自宅でのシュミレーションを終えて決断し、次にお店に伺うとなんとお店の家具のショウルームの入れ替えをするので、展示品でよければセールになるという!

そうやって我が家にやってきたのが数年前である。

 

実際に我が家に置いてみて感じたが、さすがに日本の家具メーカー。

日本の住宅事情においてのサイジングさでコンパクトでありながらゆったりとした座面と背もたれを確保した設計、しっかりした作りで、確かにロングセラーの実績がうかがえて、改めて品物に対してかなり安い買い物をしたと実感して益々、愛着が湧いてきたものだった。

 

冬の天気の良い日、窓際に椅子を置き、日向ぼっこしながら縫い物をする。

 

たしかに私自身がおばあさん志向かもしれない。と、自笑してしまう。

 

今日は、朝から穏やかな天気だった。

思えば、引っ越してから初めてゆっくりできた1日だった。

 

越してきた我が家は南向きとあり、この時期でも3時過ぎくらいまでリビングは暖かい陽に包まれて、大きな窓からはぐるりと山の稜線が見える。

 

そうそう。

今日みたいなイメージだった。

 

この椅子はここに引っ越す数年前に前に住んでいた場所で手に入れていたのに、ちょっと不思議な気持ちになった。

私は漠然とモノに憧れているときは、ずばりどこそこのモノというよりは、モノがあるイメージやシーンが先に頭に浮かんでくる。

それだからか、出会った時には、

あ!これだ!

そうです!ワタシです!

そんなやりとりが言葉を超えて行われている。

…気がする。

 

だから、買い物をする決断が非常に早い。

その時居合わせた友人は、本気でびっくりすることがある。

 

我が家に来られた友人たちは、必ずと言ってよいほどにこにこしながら、

これ、座っていい?

と、このロッキングチェアに座りたがる。

リビングにはいろんなタイプの椅子を置いているのだが、やはりこの椅子の揺られ感は、お母さんのお腹の中にいた時の揺らぎか、おばあちゃんの膝の上の抱っこを思い出すのだろうか。

 

 

ロッキングチェアに揺られて、昼間は窓辺で縫い物。

夜は暖をとりながら読書。

物思いに耽る時、ぼんやりする時、

ロッキングチェアに揺られて、明日は何思う…

 

 

 

 

 

 

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