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2017 September

2017.09.30

びっくり級なサイズ

 

 

あんまん?

おまんじゅう?

 

サイズはまさしくあんまん級のお麩。

2週間ほど前に無事終了いたしました山口個展の折に購入した、山口県の名物、安平麩。

初めてこれを見たのは、6年前。

ちょうど山口県での初個展の初日の夜に、お連れ頂いた懐石料理屋さんでした。

ほんとにびっくりしました。

 

それを覚えていてくださったオーナーさんが、作品返却の荷物の中にこのお麩の袋入りを沢山入れて下さってたのです。

これまた、びっくりしました。

 

 

 

 

年間に6回ほどだろうか、個展でいろんな県に伺います。

お世話になるギャラリーさんやショップのオーナーさんは、こだわりを持って生活をしていらっしゃる方々ばかりで、皆さん必ずと言ってよいほどお料理が上手な方ばかり。

なので、食材や調理方法にも詳しい。

 

そんな訪れるご当地のおすすめ食材を、仕事の隙間にゲットするのが楽しみなのです。

ネットで買えるじゃないかと思われるかもしれないが、店頭に並んでいるものを通してその土地のことがちょっと垣間見えたりする。

それが楽しいのです。

 

風土は人を作る。

狭い日本といえども、その土地の気候や環境によって、採れる作物や海産物は変化します。

土地で採れたものが日常の食卓にのぼり、節句や祝い事、捧げものとなる料理、そしてそれらの料理を調理する道具や盛る器、古くから伝わるならわしなどを通して土地の人々に染み込み、日々営まれている生活。

そうやってそこに住む人々の気性のようなものの礎の一部となっているのだなあと、感じることができます。

 

それは、アクセサリーを作るという自分の仕事にもヒントをくれるのです。

 

びっくり級の安平麩。

お味の方はと言いますと、これがとってももっちりして美味しいのです。

これからの季節だと、すき焼きに最高。

おかげで山口展の折には必ず買って帰るようになりました。

 

軽いし。

ただ、かさばるのが難。

 

 

さて、9月も本日で終わり。

10月20日から郷土でもある鹿児島展です。

 

鹿児島となると、これまた魅力的な食材がわんさかで大変です!

本枯れ節、黒糖、きび糖、今回は、かるかん粉もゲットしたい、安納芋なんてこっちで出回っているものより驚くほどに甘くて濃厚、そろそろ落花生も…

おっと。

目的は、個展です!

かなりの数の新作準備しております!

次回、詳細ご案内致します!!

 

 

 

 

2017.09.24

秋の夜長の過ごし方

 

 

 

どことなく曇りの日が続いていたが、本日は午後から青空が広がり過ごしやすいよい気候でした。

 

 

 

秋分の日も過ぎて、日増しに日の入りも早くなり夜の過ごし方が楽しい秋の夜長となって参ります。

 

 

夜が長くなると、読書の時間が増えてくる。

読書家の友人、知人が何人かいて処分する前にそれぞれに買って読んだ本の貸し借りをやっている。このシステムはなかなか面白く、気になっていた作家の本、話題の本、何より自分では買って読まない類の本との出会いなどは本当に新鮮だ。

このシステムのおかげで、感想も含めより友人知人との会話も楽しくなる。

 

大人になると、全てにおいて自分の嗜好でチョイスして生きて行ける。

しかし、敢えて自分が求めるものだけではないものに触れることこそが、知識や思考を広げるのだとつくづく思う。

 

食や装いもそうだ。

他人が勧めるものも試してみる。

やっぱり苦手なら、確認作業ができたということだ。

そして、一歩踏み込んでそれがなぜ苦手なのか分析すると別な角度から自分を知ることができる。

勧められたものに違和感がなくもっと試したくなったなら、新しい自分の扉を開けるチャンスだ。

 

 

秋の夜長の過ごし方。

今、はまっているのが足と手のマッサージのあとお抹茶。

そして、読書。

 

いい感じに眠くなってきて、熟睡できるのです。

 

秋にはこのフラワーベースがマガジンラックに変身なのです。

本日も心地よい夜風が吹いています。

 

 

 

 

 

2017.09.16

茜で染められた四角形のラグ

 

 

 

6年前の8月31日。

その日はとても印象深い1日だった。

 

 

 

 

 

一目惚れで購入したラグが、ちょうど仕事が終わったのを見計らったかのようにして届いた。

前日、断ち切れない自分の過去の負の気持ちに、ようやく終止符を打てることがあった。

 

人が見ている現実と自分が見る現実は、異なる。

正確には、自分が見たいように見ている現実と言えば良いだろうか。

現実は、ただの事柄であり、真実は感情や時間、言葉、行動掛けることのそれにかかわる人の数の層、諸々雑多が複雑に絡み合い、所在ありげで無さげ。

いつだって正体不明だ。

 

でも、今回は、はっきりと真実を確保した。

この真実は、もう姿を変えたりしない。

まるで素手で捕まえたかのような真実を前にすると、それまでの自分が他人を演じていた役者のようにさえ思え滑稽だった。

 

 

あぁ、やっぱりこのラグ、正解だった。

そういえばあまりの決断の早さに知り合いの店主は驚いていたなあ。

 

届いたばかりのラグの中央に寝転んでまぶたを閉じた。

 

出窓の小さな窓からさわさわと入り込んできた乾いた風が、鼻先に止まり、体全体を包み込みどこかにずっと閉じ込められていて、潜り込んでいた私をすうーっと引っ張り出してくれるような心地だった。

そのことに抵抗をしない自分。

 

うわ、何?

この感覚。

 

ああ、心が解き放たれるとはこんな感覚なのかあ。

今まで経験したことのない気持ちだった。

なんて心地よいんだ。肌触りとか匂いとかそんな五感を超えたここちよさ。

このラグは、なんだか不思議だ。

これをエネルギーというのかな。

押し付けがましくない寄り添うような優しいエネルギーと言えばよいのか。

 

それから、折にふれ、力が弱ってしまっていると感じる時には、このラグの中央の正方形の図柄の上に寝転がって目を閉じる。

 

そんな風に過ごすようになった。

 

やっぱり、不思議だ。

このラグ。

 

 

中東の女性がデザインや色、全て任されて織ったものを、直接仕入れたものだと店主から聞いていた。

 

モチーフに意味がある具象的デザインがほとんどなのだが、私が求めたものは正方形のラグで、大きな正方形の中央にもうひとつ正方形が入っている珍しくシンプルなものだ。

 

店主が積み上げられて山のようになっているラグをいくつも回遊し、まるで絵本をめくるかのようにして何十枚、いや100枚近く見せてくれただろうか。

このラグの山を見て気にいるものがなければ、今日は止めておこう。

あと数枚くらいで床にたどり着くなと思った途端、突如現れたこのラグは、一瞬にして私の心を掴んだ。

 

そうやって我が家にやってきたラグ。

 

後に知ったのだが、正方形のモチーフにもちゃんと意味があるという。

窓。未来。幸福。願い。安定した豊かさ…

 

 

次に店主に会った時に聞いてみた。

 

買われたお客さんからよく似たような話、聞きますよ。

エネルギーはあると思いますよ。

だってあれ、手仕事ですよ。

機械じゃないんですよ。

僕は、そう思っていつも現地で一枚一枚セレクトして仕入れてます。

 

 

秋の始まりの風を捉えたあの日の夕刻もこんな太陽だった。

 

 

 

見知らぬ家と家の間に、すっぽり埋まったまま沈む太陽を、出張先でカメラにおさめながら思った。

 

早くおうちに帰りたい。

茜で染められた四角形のラグのあるあの部屋に。

 

 

 

 

 

 

 

 

2017.09.10

山口個展の様子!!

 

 

一昨日より始まっておりますドログリーさんでの個展の様子です!

 

ドログリーさんは生活の全てを愛するオーナーが、選び抜いたものを提案するショップです。

 

 

 

お店はとても大きくて、一階にはお洋服、バッグ、器、什器となっている家具、ちょっとした贈り物に喜ばれるあれこれ、そしてカフェスペース。二階では県外からもお見えになられるというこだわりメンズファッションショップとなっております。

 

こちらがカフェスペース。

 

 

 

テラス席の植栽は全てオーナーによるコーディネートで、作り込んだ感じがなく、とてもナチュラルな感じが私もお気に入り。

 

 

店内のあちこちのお花は、オーナーのご自宅の庭やお客様からの頂き物のお花で、ほとんど購入することはないのだとか。

暖炉の上の大きな甕の中のアレンジはいつも見事で、それなのに全くお花をお勉強されていないと言われますから、ほんとにセンスに感服です。

それだからこそ、オーナーのセンスに信頼をおいていらっしゃる感度の高いお客様方がたくさん集まるのだと思います。

今年は茶花がたくさん!!

 

おっと、おっと。

私は自分の個展のため足を運んだのです。

 

 

 

お店が広いので素敵な什器で展示ものびのびさせて貰ってます。

そのくせ画像がぜんぜん少ない。ははは。

 

今年も元気にお会いできた方々や、しばらくぶりにお会いできた方々、お越しいただいたお客様もいつのまにか親しくなられるようで店内はとても賑やかな初日、2日目でした。

 

仕事の合間に来てくださった方や、試着するお洋服に合わせてアクセサリーを提案させて貰ったり、お洋服のアイテムに合わせて使い方をアドバイスさせて貰ったりと、ギャラリーさんとはまた違った一歩踏み込んだご提案をさせて頂けるのが、ドログリーさんでの楽しいお仕事のひとつです。

 

会期は14日まで。

 

ご興味のあられる方、ぜひお運びくださいませ!!

 

 

 

 

2017.09.02

山口個展のご案内はひとつ戻ってね!

 

 

 

無花果。

 

 

 

 

 

漢字を見ていると、花の咲かない実なのだろうかと思ってしまうが、我々が食べているいちじくは、実は花の部分であるらしい。

 

 

無花果は大人の果実だ。

 

若い頃にはあまり好んで食したいとは思わなかった。

でも、当時から憧れの大人の女性たちは、無花果が好きだとよく耳にしていたので、季節になるとちら見して果物売り場を素通りしていた。

果物たるもの、滴り落ちるような果汁がなければ。

そんな風に思っていたのかもしれない。

自分そのものが、青い果実だった。

 

 

皮は薄く必要以上に触っていると痛みやすい、食すと決めたときにふわっと握り、さっとナイフを入れる。

中から深い秋色の抽象画が現れる。

 

自己主張の過ぎないほんのりした香り、器をまとったときのサマ、舌触りと甘さのバランス。

他の果物にはなかなかないバランスだ。

今は、そんな風に思う。

 

 

 

どんなに遠いところにあなたはいるの、果実よ。

わたしはあなたの心のなかにひそんでいます、花よ。

 

インドの詩人、タゴールの詩より

 

 

ああ、秋だなあ。

 

どうかこのまま、おとなしく秋に突入してほしいものだ。

 

 

 

 

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