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2022.06.16

佐賀個展のご案内は、ひとつ戻ってね!!

 

 

 

 

佐賀個展の明日が搬入で、明後日からスタートに控えた本日は、梅雨の晴れ間で青空が臨めた。

毎回、個展に出向く前日は必ず好きなことをする1日として余白を作っておくように制作スケジュールを組むようにしている。

これを私のためのリラックスデイと密かに名付けている。

 

 

 

ここに越してきてから2年が過ぎようとしているのだが、今回のリラックスデイは、引越し時にとりあえずここに、と納戸に積まれた荷物の整理をすること。

整理整頓は好きなたちである。

その過程の気づきと終わったあとの頭の中と視界がクリアになる感覚が、トレッキングに似ている。

納戸の整理というより、所有しているCDの整理をしたいというのが一番の目的だった。

本に関しては越してくる際に随分と処分したのだが、CDは時間をかけてやりたかったので手付かずのまま納戸で2年間熟成しておりました。

 

楽器は何も演奏できないし、カラオケも苦手ですが、音楽はとても好き。

テレビを持たない生活を始めてかれこれ15年くらいだろうか。

おかげで余白の時間は随分増えた。

その時間には大半がその時の気分に合った音楽が流れている。

ただちょうど越してくる直前にレシーバーが故障し、やむえずパソコンに取り込んだCDをスマートスピーカーで聴くことがスタイルになってしまっていた。

落ち着いたらCDプレイヤーを吟味しようと先送りにしている間に、世の中とメーカー含めスマートスピーカーとワイヤレスヘッドフォンへの市場シフトが加速している。

 

スマートスピーカーで聴く音とCDを再生する有線の音は別なもの。

できれば再生した音を聴きたいものだ。

 

そもそも所有しているCD全部をパソコンに取り込むことは時間的にも労力的にも厳しい。

労力だけではなく若い頃から買い集めたCDを手放すのは心情的にもなかなか厳しく、音楽関係の仕事を長くされていらっしゃる方は、サブスクという時代の流れにどう落とし所をつけているのだろうと他人事ではない思いである。

 

レコードがそうであったように、CDにもアルバムジャケットがあり、アルバムには曲の構成、クラシックならばカップリング、ライナーノーツ。

アーティストのアルバムは、関わる多くの方々の思いと技術の結集、やはりひとつの作品であると思うのです。

 

何を聴こうか、ジャケットを眺めながら選曲する。

ケースから出しレシーバーに置く。

一連の流れ。

贅沢な時間を味わうには、準備、いわゆるアプローチの時間があることがより味わい深いものへと押し上げてくれるものだと思っている。

ひと手間。

 

料理もそうであるだろう、そして生活の全てもそうではないだろうか。

であるならば、人生そのものもそうなのではないか、そんな気がしている。

 

ひと手間が入り込むアプローチ、余白の時間。

余白の時間を作るためには、日々の何かを削るしかない。

 

というわけで、音楽を愉しむための余白の時間、アプローチのために、市場から極端に減ったCDプレイヤーを探す時間を費やすというひと手間を鑑みるリラックスデイとなりました。

 

明後日より佐賀個展、お近くの方はぜひお運びくださいませ。

初日、2日目は在廊致しております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2022.06.05

ヒルクライムチャレンジ

 

 

 

 

1ヶ月以上ぶりのロードバイク。

 

梅雨入り前の好天気を狙ってロードバイクで初のヒルクライムにチャレンジしてみた。

向かった先は、長崎県平戸市の川内峠。

このコースはクロスバイクに乗っている頃からかなり気になっていた。

ヒルクライムとはいえ、ほんもののサイクリストたちにしてみれば朝飯前、といったコースなのでしょうが、まずは実力試しといった目的の挑戦。

たびら平戸口駅に車を停めて準備を済ませてスタート。

 

走り始めるといきなり下り坂。

帰りゴール寸前で坂道になるわけか、余力残して置かなければ。

と早速ペース配分が始まる。

山との大きな違いは、帰りが想像以上にしんどいということ。

ペース配分を間違うと疲れて事故や怪我を招きやすくなる。

山も同じだが、命に関わるということを常に忘れてはならない。

 

日中は気温がかなり上がりそうだが、地理的にも海風がすこぶる気持ち良い。

下った後は必ずある上り坂。

ギアチェンジが忙しい。

しばらく走ると見えてきた赤い平戸大橋。

 

 

 

 

サンフランシスコブリッジを思い出した。

画像は渡り切った公園からの撮影、なかなか絵になる橋です。

再び坂道。そして、平戸城を眺めたあと石畳で趣のある街を抜け、再び坂道で高度が少し上がった辺りで水分補給休憩。

再び坂道を上がると川内峠への分岐点。

いよいよ始まるほんもののヒルクライム。

 

 

全身で漕ぎ続けると、木漏れ日と風が心地よく流れる雰囲気のある林道にさしかかり、一旦降りて水分補給と脈を整えるために休息。

風が気持ちよい。

漕いでいるとすぐに身体全体が重くなるが、少しの休憩ですぐに力がみなぎり漕ぎ出すと足が軽くなっているから不思議だ。

こまめな休憩をとりながら前進すると必ず頂上へ辿り着ける。

それに関しては、トレッキングも同じである。

これでもかこれでもかというほどのくどいヒルクライムが続く。

 

 

 

前方の視界がアスファルトしか見えない時間が続くと、ひょっこり現れたアスファルトの上の緑の丘。

ヘトヘトになりながらようやく辿り着いた川内峠には、まさに緑色の風と青い海風が踊るように戯れていた。

ここまで自分の足で漕いで登ってきたことを労って貰えたような、優しい風たちにふわふわと包まれて、乱れた呼吸もすぐに落ち着き始めた。

バイクを置き徒歩にて展望台への階段を登ることにした。

壱岐、対馬、佐世保、遠くにかつて登った阿蘇烏帽子岳。

ぐるり新緑のきれいな丘陵線と一筆書きのような道は、作品に真似したいほどの完璧な曲線を描いていて思わずじっと眺め入った。

 

 

 

 

 

丘の裏側下方には、サンセットロード千里ヶ浜が確認できた。

海水浴場だろうか、砂浜と海がとてもきれいだ。

海抜標高だとかなりの高さだろう。しかし、本当にしんどかった。

まだまだビギナークラスだなと実感。

 

 

 

折り返しのダウンヒルは、最高のご褒美ライド。

この快感は街中走行では得られない。

おそらくこれを味わいたくて、皆さんヒルクライムコースを選ぶのではないだろうか、そのためにはバイクのある程度の装備、軽さ、諸々の条件、安全でストレスのない装い、そして見合う実力をつけて進化してゆくのだなあと感じ入りました。

途中、海の見えるご飯屋さんで平戸の旬なお魚のランチを食べた後、再び漕ぎ始めると続々とサイクリストたちが坂道を登って来る。

こちらはダウンヒル。

先程体験したヒルクライムを思い出し、思わず車道越しに会釈をしてエールを送ると皆さん笑顔で会釈を返してくださる。

平戸大橋を越えるとゴール間近。

行きがけ懸念した駅近くの坂道もあっけなく登ってしまい、ヒルクライムもまずは慣れることが力をつける近道なのかもしれないと思った。

 

ほんものサイクリストたちは、やっぱり凄かった!

感服。

 

出発点の駅に戻ると、フランス発祥のランドナーと言いまして自転車に前後、両サイドにたくさん荷物を提げてキャンプをしながら旅をするスタイルの方を見かけました。

日本縦断中なのだろうか、九州一周中なのだろうか。

 

ひとくちに自転車と言いましても、目的が多様で行った先々でいろんなスタイルで自転車に乗られている方と出会います。

年齢も性別も様々。

そのことも新しい世界を知るのに、本当に楽しく且つ刺激になるのです。

 

 

さあ、佐賀展まで制作あと3点。

こちらはラストスパート頑張ります!

 

 

 

 

 

2022.06.01

治癒力

 

 

 

本日より6月がスタート。

先月は、いつもの5月と心持ちが明らかに違っていて、自分でも戸惑うほどだった。

5月は誰にとってもそんな月だよね。

友人達にも言われたものの、内心その種のものとは違うということも本人がよく分かっていて、心というものは他人にうまく言葉に表現出来るものではない、まして理解してもらおうなんて皆無に等しい。

改めてそう感じた月でもあった。

 

いつものように制作を終えて帰宅したあと、このまま1日を終わらせるには少し勿体ないお天気に、プランを考えてみた。

ロードバイクで海浜公園に行き、持参したコーヒーを飲んで帰りがけ本屋に寄るかな。

ちょっと違う。

しばらくぶりに行きつけのインテリアショップに行ってみるかな。

今日じゃないな。

5月はいつも何をしていたのだろう…

そうだ!切花の大人買いをしに行こう!

ここに越してきて馴染みの花屋が遠くなったので、ベランダのハーブやグリーンを楽しむというスタイルに切り替えたのこともあり、切花を買うことがめっきり減った。

身軽な装いで自宅から少し近いオーガニックスーパーの中にある花屋まで散歩を兼ねて出向いた。

 

 

 

 

 

 

 

選んだのは自分には珍しくピンク系統の花ばかり。

 

ベランダのミモザやティーツリーも足して、何パターンも花器に活けた。

ダイニングテーブル、キッチンカウンター、パウダールーム、寝室、玄関、廊下の小窓、リビングの花掛け、シェルフ。

小さな花器のおかげでたくさん活けられた。

1時間くらい経っただろうか、気がついたら夕どきの空の色がベランダの植物を染めていた。

茎の処分をして片付けが終わり、切花たちを眺めていたら明らかに気持ちが変化していた。

大丈夫だ。いつもの自分に戻れる。

理由はないが確信できた。

 

 

 

翌日から、一部屋ずつ整理整頓を始めた。

もう要らないもの、大切にし過ぎて使う頻度を減らしていたもの。

整理しているものはモノだが、実は思考の整理をしている。

必要な思考、もう手放しても良い思考、今こそ発揮しなければならない思考。

そうそう。私は毎年、5月になるとこれを無性にやりたくなっていたんだ。

やり終わるとエネルギーが湧いてきていた。

そうやって夏を乗り切って、気配を感じながら秋へと準備していた。

 

切花店を何店舗も展開されているオーナーさんが以前話してくださった。

バブルの頃は業界始まって以来のものすごい花の売れ行きでした。

今はひどく売れ行きが落ちた。経済変化以上に合わない落ち込みぶりです。

その理由は何だろうとリサーチし続けた結果、花はすぐ枯れるから。

水替えが面倒だという理由がほとんどだったらしい。

それから生産者たちと一緒になって花を長持ちさせるための努力を惜しまず続けています。

と。

そうか、だから若者たちの間でドライフラワーが流行っていたのか。と合点がいった。

生きているから手入れを怠ると枯れるのは当たり前。

でも、生きているからこそエネルギーを貰えるのだと、今回強く感じました。

 

自分にも、自分の心にも手入れを怠らないこと。

それが、健全な精神をキープする一番の治療なのかもしれない。

 

 

 

 

2022.05.26

ロケ撮影

 

 

 

 

昨日は、下半期の個展に向けてのDMのためのロケ撮影でした。

 

福岡の今津湾岸の浜にあるクロマツが林立する美しい松原。

生の松原。

本来は元寇防塁のために博多、千代、百道、生の松原と続いていたらしいのですが都市化が進み、現在はここだけが残っているこの生の松原は、個人的にも好きな場所。

一歩足を踏み入れると、とても静かで樹齢100年を越えるクロマツが多く、ここにスッと立つだけでサマになる写真が撮れる。

いわゆる映えるスポット。

 

ここのところ、随分と整備されていて能古島を臨みながら散歩道が西の方へと伸びていて、更に雰囲気が増しているのだが告知が十分ではないのかいつもさほど混み合っていない。

 

 

 

 

今回は、この生の松原をロケ撮影地にしました。

 

ご存じの方は少ないかもしれないですが、実はDMはほとんど私自身が身につけたものを撮影してもらっているのです。

 

当初は、手の綺麗な女性にモデルをお願いしておりましたが、ある時個展会場でお客様が何気なく言われた一言で、はっとして自分の手を撮影した方が誠実な写真ではないだろうか。

若くて美しい手は、それだけで十分なアクセサリー。

でも、積み重ねてきたものが醸し出す力や美、優しさと包容力に溢れたご自身の手をもっと愛して欲しい。

そんな思いで日々作っているのに、若い美しい方の手をモデルにしてしまうとは、なんとも矛盾した上部だけの筋の通らない格好つけた仕事をしているものだと恥ずかしくなったのです。

それからというもの、指の節も男性のようで女性らしさと程遠い、柔らかさのない筋張った手ではありますが、私自身の手を撮影してもらっております。

 

 

 

 

撮影はお客様でもあるアマチュアカメラマン。

海風はとても気持ち良く、撮影は2時間近く。

途中の休憩時間には持参したポットで紅茶を入れておやつを広げて、ちょっとしたピクニック気分でおしゃべり。

遠くには風を味方にしたヨットが何艘も進む様子や海原を流れるように飛ぶ鳥たち。

ここのところ制作詰めだったので、撮影も仕事とはいえちゃっかりリフレッシュもしちゃいました。

 

下半期は、なんと気が付いたら7年ぶりという地元、福岡での個展からスタート。

7月1日からの福岡展。

どんな写真がDMに起用されたのか、お楽しみに!

 

6月下旬ごろ発送致します!

 

その前に上半期最後の個展、6月17日から佐賀展です。

やっと世の中の移動も少し自由な気配がしてきました。

ご案内は、次回に。

 

 

 

 

2022.05.15

大阪中之島美術館

 

 

 

 

 

昨日、出張の折、寄り道しまして、大阪中之島美術館に行って参りました。

3月の京都展の折にも行ったのだが、ものすごい人出でチケットを持っていなければ4時間待ちの混雑ぶりでしたのでリベンジでした。

 

大阪中之島美術館は、

「民間の知恵を最大限活用しながら、顧客目線を重視し利用者サービスに優れたミュージアム」というコンセプトを掲げている、民間事業者が経営に直接かかわるという日本の美術館としても新しいスタイルだそうです。

(公式サイトより一部抜粋させていただいております)

それ故開館までにもとても苦労も多かったとニュース記事でも以前目にしておりました。

33年前に大阪市が購入したモディリアーニの作品が、今回の特別展に繋がったそうです。

 

こんな時期とはいえ、世界中の美術館や日本国内の美術館から数多く集められておりました。

 

 

 

 

 

今年2月にオープンして、開館記念特別展として現在、モディリアーニ展が開催されております。

水都、中之島は緑豊かに整備されたエリアで美術館や科学館、高層ホテルなどが多い。

 

 

 

そんな中、ひときわ目立つモダンな箱型の建物にさわやかな植栽たちに囲まれておりまして、館内はまるでどこかのインターナショナルなエアポートのような抜け感で、まさにアートトリップした気分になります。

 

 

作品の見せ方や照明、背景となる壁の色、分かりやすい説明、分類、モダンな展示で且つ、週末ではありましたがゆったりと観ることができました。

モディリアーニと交流のあった様々なアーティストたちの作品もふんだんに観ることができて、今まで興味のなかった画家の作品に改めて魅力を感じ引き込まれるシーンが何度もありました。

 

キスリング、ピカソ、ブランクーシ、シャガール、キリコ、ユトリロ、藤田、

ヴラマンク、ルソー、マリー・ローランサン…思いがけず黄金時代の作品たちを鑑賞できて大満足しました。

 

サプライズ的な作品、世界初公開となるグレタ・ガルボのコレクションが、展示の最後に来ていました。

日本初公開の個人所蔵の少年の肖像の目には吸い込まれそうな純粋さに釘付けになり、テート美術館所蔵の若い女性の肖像には、ぐっとくるものがあり、海外の美術館で数点しか観たことがなかったモディリアーニの沢山の作品を鑑賞でき、寄り道ルートで大阪からの帰路にしてよかったと改めて思いました。

 

 

早速帰りの新幹線から友人に薦めたところ、どうやら本日の日曜美術館のアートシーンで紹介されていたとか。

 

機会がございましたら、ぜひ。

会期は7/18まで。

 

暫くぶりに美術館で美術を鑑賞したという満足感を得られました。

 

 

 

 

 

 

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