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2021.11.27

大阪個展の案内はひとつ戻ってね!!

 

 

 

 

個展に向けての制作準備もあと少しになりようやく目処がたってきた本日、明け方まだうす暗いうちからアトリエに向かって制作に取り掛かり、早めに終わらせた後、午後からショートライドへ出かけた。

 

行き先は以前から気になっていた北九州空港。

北九州空港は海上埋め立て地にあるということもあり、空港へと伸びる橋がある。

この橋は無料で渡れる日本一長い橋らしく、サイクリストやジョギング客のための専用道路が整備されていて密かな人気があるという。

 

 

 

 

瀬戸内、四国の方へ向かっている空港へと向かう橋の両サイドは海。

右手には遠くにくじゅう連山、後ろには福智山や皿倉山と登った山々を眺めながらのサイクリングはなかなか気分が良かった。

風も思うほど強くはなかった。

吹き渡る潮の香り。

 

 

 

 

 

スタート地点から10キロ程で北九州空港に到着。

空港内のカフェでお茶をして小休止の後、折り返す時間にはちょうど辺りは黄金色に染まり始め、シンプルで美しい橋のシルエットがどこか艶っぽさを感じるような美しさに変化していき、何度も自転車を止めて撮影をしているうちに、すっかり時速も落ちていつのまにかポタリングになっていた。

似たような景色なのに走り進めて角度が変わるとますます魅力的に思えて撮影せざるを得ない気持ちになる。

この黄金色の景色の中にふわふわと浮遊するものがある。

なんだろう。

今時、タンポポではあるまい。

あ。ススキだ。

ススキの綿毛は、更に幻想的な雰囲気を醸し出し、偶然ヘッドホンから流れてきた曲と景色がマッチングしてゾクっとした。

 

久しぶりに景色と音楽が重なる感覚だった。

初めて一人旅をしたミラノからジュネーブへと向かう早朝列車の中から見た景色と音楽。

音楽が心に沁み入る感覚。

あの旅の記憶と朝の冷たい空気までもが甦った。

音楽が音楽を越え、景色が景色を越える瞬間。

こんなとき、音楽を持ち出せることの価値が最大限に満たされる。

 

まさに黄昏時を走っている感覚に酔いしれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

人が生きる時間は、どんな瞬間も一度きりだ。

橋の壁面に映った自分の影を見ながらそう思った。

 

 

残りの制作も丁寧に気持ちを込めて行おう。

人との出会いだけではない。

時間との一期一会。

多忙になると、そのことを忘れがちである。

 

 

 

 

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