2020.12.25
クリスマスプレゼントとお歳暮
ずっと気になっていた鉄瓶。
サイズとキッチンでの置き場所や使い勝手などを考えると果たしてどうなのかと決めかねているうちに、当時住んでいたところから引越しすることになったのが今年の初秋。
今度の住まいでは、キッチンが広くなったこともあり鉄瓶デビューを決意!
鉄瓶生活を始めている先輩にアドバイスを受けながら、生活も落ち着いたこの頃、岩手より届きようやく鉄瓶デビューを果たしました。
引越し記念と自分にクリスマスプレゼントとお歳暮!というあらゆる名目付きでやっと手に入れた鉄瓶。
お酒を飲める方で鉄瓶を初めて使われた方は、きっと感じたことでしょう。
純米酒と大吟醸の違いさながらの舌触りと喉越し、ふく郁たるあのとろみ感。
つまり、その湯で淹れる煎茶、お抹茶、紅茶、コーヒー。
やはり、歴然と違う。
まあ、茶道の世界をご存知ならば、改めて語ることもないでしょうが。
早朝のまだ薄暗く寒いキッチンに、真っ黒の鉄瓶からふわふわと噴き出る真っ白な湯気。
そして、そのふわふわの湯気と共に鉄瓶がしゅんしゅんしゅんという鳴り出す。
この可愛らしい鳴き声が湯が沸いた合図。
なんとも風情がある。
手間のかかるものには、必ずや風情という金銭に換えられない価値がある。
かの松下幸之助氏は、かつて日本の女性たちが1日を費やすほど重労働だった家事から少しでも楽になり解放されて欲しいという思いで、次々と家電なるものを世に送り出したという。
家電量販店を今、氏が訪れたならば、きっと腰を抜かすほど驚くのではないだろうか。
今を生きている私自身が訪れても、見ても用途が分からない家電がおびただしく存在しているのですから。
それが便利か必要な機能かも言い切れない曖昧な代物があまたある。
人は、ある程度以上の機能のものは、実の所全く欲していないのではないかと、鉄瓶の鳴き声を聞きながら思うわけである。
皆様にメリークリスマス。
そして、私自身にもメリークリスマス。