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2018.11.17

秋の午后

 

 

 

息をひそめるような青空を背景に、赤く色づいたもみじがさえずるように揺れる。

 

葉の先端まできちきちに開き、透けるほどに光を浴び、さえずるさまは生の証し。

 

 

 

もうひとつ。

遠くさえずるような音が、足元から聞こえてきた。

 

 

 

 

音の先に見えるは、水分が抜けきってしまったシルエットの重なり。

木々が手放したもみじの葉っぱたちは、路上にて声は違えど再びさえずる。

 

頭上では、今まさに生を謳歌するさえずり、地上ではかつての記憶を辿るようなさえずり。

ふたつの音階の違う音は溶け合い、鎮魂歌さながら秋の午后を鳥のように舞う。

 

 

 

 

 

 

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